1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「打ち合わせに遅刻」あまりに残念な謝罪の一言 相手の立場に立ち、何を求めているかを考える

東洋経済オンライン / 2024年3月21日 6時50分

そうすると、攻撃性の指標である脳波などは怒りの値を示しませんでしたが、不快感の指標となる皮膚電気活動は上昇しました。

つまり、「すみません」という簡単な謝罪は、怒らせた人の攻撃性を抑えますが、不快感は解消しないのです。簡単な謝罪は、怒っている人ではなく、怒らせた人が攻撃されないためのもの、ということができます。

効果的な謝罪の要素3つ

では、いったいどう謝罪すればよいのでしょうか。前述の子どもの実験では補償が高く評価されましたが、実は補償だけでは十分ではありません。少なくとも、次の3つを含む謝罪が効果的です。

① 後悔
② 責任
③ 補償

後悔は、「こんなことになって申し訳なく思います」という自責の念を示すことです。しかし、「そんなつもりではなかった」と続けて正当化を図っては、元も子もありません。

責任は、「私の不注意のせいです」と、自身に責任があることをはっきり認めることです。

そして、謝られる側がもっとも重視しているにもかかわらず、多くの謝罪に欠けているのが補償です。ここでいう補償とは、何も金銭的な補償に限りません。

たとえば、打ち合わせに遅刻した場合は「要点をまとめて話して、時間内に終わらせます」というように、具体的な解決策を示すのも補償のひとつです。可能であれば、今後の仕事で埋め合わせをすることを提案するのもよいでしょう。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

大事なのは、相手の立場に立って、どのような補償がなされれば相手の気が済むのかを考えて実践することです。

これらに加えて、「説明」が含まれていると、謝罪はさらに受け入れられやすくなります。この場合の「説明」とは、そのような事態に至った理由を伝えることです。弁解と似ていますが、自分の立場から話さないように気をつけることで、弁解にはなりません。

たとえば、「電車が遅れていました。大変申し訳ありません」「遅れて大変申し訳ありません。電車が遅れていました」は、同じことを述べていますが、前者は、受け取り方によっては電車の遅延のせいで遅れたという「弁解」に聞こえます。

それに対して後者は、まず遅れたことを先に謝罪し、それから電車の遅延という事情の説明をしています。

これだけでも、相手方の受ける印象は大きく変わります。

信頼を回復するには

アメリカの研究によると、人間関係がギクシャクしたときに、謝罪してほしいと思う人はほとんどいないそうです。実際には、自分のために時間や労力を費やしてほしいと多くの人が考えています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください