松本城主・松平直政が「月」を見せたかった"相手" 城好き気象キャスターが「風光明媚な城」を厳選
東洋経済オンライン / 2024年3月22日 13時0分
瀬戸内海で霧が出やすいのは、3月から7月にかけてです。霧の発生日数は、春先から一気に増え、梅雨明けとともに急激に減ります。
晴れている日に陸から瀬戸内海を見ると、瑠璃色の海の美しさに心が洗われます。
ただ、船乗りにとっては難しい海だそうです。理由の1つは霧。濃い霧が出ると、20~30メートル先が見えないこともあります。
さらに航海を難しくしているのは、潮の流れです。大小の島がたくさんある瀬戸内海は、地形や潮の満ち引きによって複雑な潮流が生まれます。
複雑な気象を知り尽くした村上海賊
「鳴門の渦潮」もその1つ。昔の船はエンジンがなかったので、今よりずっと航海が難しかったはずです。村上海賊は、海賊といっても略奪をメインとするパイレーツではなく、瀬戸内海の水先案内人として、収入を得ていたそうです。
春の雲海を見るには
時期:春先から梅雨明け(3月から7月)
条件:前日が雨で、翌朝、晴れたときがチャンス!
① 「移流霧」(海霧)の発生=気温が高くなるとき、暖かく湿った南西風が吹くとき
② 「前線霧」の発生=低気圧や前線が九州や四国・中国地方にあるとき
出典:『瀬戸内海の気象と海象』(海洋気象学会発行/2013年)
愛媛県 今治城(県指定史跡)
愛媛県今治市通町3-1-3
JR予讃線今治駅から、せとうちバスで「今治城前」下車
戦の施設だったお城に、月を愛でる場が誕生。お城から眺める月、暗闇に浮かぶお城と月の競演、どちらも情緒があります。
平和な時代ゆえの風情
松本城は、徳川家康から豊臣秀吉に主君を替えた石川数正と息子・康長が大規模な改修をしました。大天守、渡櫓(わたりやぐら)、乾(いぬい)小天守は、戦国時代末期の1590年代にできたと考えられています。
江戸を治めていた家康を見張るための秀吉側のお城で、長野県にある上田城や高島城、小諸城などとともに、秀吉は「江戸包囲網」を形成していたそうです。
地盤が弱い場所なので、1000トンもの重さがある大天守を支えられるように、実は天守台の石垣の内側には16本の太い丸太杭が立てられていました。また、石垣が沈まないように、堀底に丸太を筏のように敷きつめて、その上に胴木を2本置いてから石垣を積んでいます。
隠れたところにも土地に合わせた築城の工夫があるのです。
家光をもてなすための月見櫓
長野県にある国宝・松本城の「月見櫓(やぐら)」は、お月見をするための櫓。戦国時代には考えられない、平和な江戸時代の発想です。
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