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「解像度」が高まる"具体化思考トレーニング" 似たもの同士を比べて違いを問う

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 15時0分

「品揃え」という軸で見ると、羽田空港の書店はスペースも狭いですし、各カテゴリの本を揃えるよりは、売れ筋の本を中心に陳列するなどして売り場をつくっています。

新宿には書店もいろいろありますが、特に紀伊國屋書店は1階から8階まで総面積約1500坪という大型店舗で、専門書も含めて各カテゴリを網羅した品揃えです。ここから読み取れる違いが「空港=衝動買い」「繁華街=計画的」です。

また、この「衝動買い」という心理についてもう少し考えていくと、空港という場所には「衝動買い」を後押しする要因があります。つまり、空港へ行くのは何のためかと言えば、出張や帰省などもあるでしょうが、旅行目的のこともあります。

旅行に出ると、誰しもが開放的な気分になり、財布のひももゆるみがちです。普段なら絶対に買わないようなものでも、旅先では思わず買ってしまう。なぜかと言えば、いつもの日常から離れた環境にあるからです。

空港のテナントには、高級ファッションやブランド品のショップも入っていますが、それもこうしたお客の「衝動買い」の心理に着目した出店戦略です。この心理は、本も同じ。普段、繁華街の書店で見かけても手に取らないような本を、空港の書店でなら思わず購入してしまうこともあります。すなわち、「空港=非日常」「繁華街=日常」という図式です。

それから、これも空港の書店ならではのケースですが、「そこでしか手に入らない」という本を置いている場合があります。例えば、地方の空港であったり、海外の空港であったり……。現地を紹介するローカルなガイドブックや郷土史の本など、そういう本が好きな知り合いに頼まれたり、あるいは気を利かせてお土産に買っていくというケースが考えられます。

これが新宿の書店の場合、例えば、書店の少ない地方在住の友人に頼まれて……といったケースはもちろん考えられますが、お土産として買っていくことは少々考えにくい。なぜなら、それこそ大型書店であれば、今どきは在庫検索も注文もネット上で完結するからです。従って、「空港=土産用」「繁華街=自分用」という違いがあると考えられます。

「YouTubeの視聴者」と「TVの視聴者」の違い

「YouTubeの視聴者」と「TVの視聴者」。あなたが仮に単体の消費者やユーザーの人物像を具体化したいとしても、こちらの問題でも同じく敢えて「似た者同士を比べて、違いを問う」ことで、具体化思考を加速させます。

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