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DXが進むことでマネジャーが失う「武器」と変化 専門マネジャーの登場でキャリアはどうなる

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 10時0分

加えて、組織の垣根が下がるとともにさまざまな働き方の人材が増えたことから、マネジャーには、自分の組織のマネジメントだけではなく、組織外、あるいは外部ネットワークの活用でリソースを補うといったことが求められるようになってきます。

つまり、自社の経営資源の制約を超えて、どんどん組織外の良質の経営資源を探し、それを活用することもマネジャーの仕事となってきたのです。自社の経営資源のみでイノベーションを起こしたり新しい価値を創造したりすることが難しくなる中、この流れは今後も加速する見込みです。

その一方で、マネジャーが失う「武器」もあります。DXが進み、さまざまなデータが一元化されて誰でも見られるようになり、また言語化されたノウハウなどが蓄積・可視化される結果、情報の非対称性が崩れるのです。つまり、これまでマネジャーの権威を支えていたパワーの源泉としての情報格差がなくなっていくのです。

ここまでの話をまとめると、マネジャーは、情報格差という武器を失う中、プレーヤーとしてレベルの高いアウトプットを出しつつ、より高度な業務と組織のマネジメントを行うことが必要となってくるのです。

チームの変化

次に、マネジャーが管理するチームがどのように変化するか考えてみましょう。

まず、チームの境界線はどんどん曖昧かつ流動的になるでしょう。ある意味、組織のプロジェクト化、プロジェクトチーム化です。明確に自分の部下だと言える人は相対的に減っていきます。正社員のAさん、契約社員のBさん、外部委託のCさん、隣の部署のDさん(兼務)、IT部署のEさん……といった人々をマネジメント、あるいはコントロールしなくてはなりません。所与のリジッドなリソースを管理するのではなくて、必要なリソースを社内外から集めてきて組織化し、マネジメントして、不要な分は切る(あるいは譲る)ことが求められます。

たとえばあるプロジェクトでは、最初は自分と部下2人程度しか正社員がおらず、必要な人員は自ら要件を定義したうえで集めて、という状況が起こりえます。そして契約社員や業務委託の人を集め、また社外の他組織とコラボすることでプロジェクトを進める、というやり方になるのです。人員数やそのスキルも、プロジェクトの進捗に合わせどんどん変わっていきます。

プロジェクトの期間もどんどん短くなります。アジャイルに、スピーディに試行錯誤しながら新しいサービスを作っていくことが求められるでしょう。こうしたプロジェクトを1つ、あるいは2つ3つ4つとマネジメントするのがこれからの時代のマネジャーの仕事となっていくわけです。

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