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DXが進むことでマネジャーが失う「武器」と変化 専門マネジャーの登場でキャリアはどうなる

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 10時0分

もちろん、あらゆる組織のあらゆる部署がすぐにこうなるわけではないでしょう。重厚長大系の大企業などではその傾向が強いかもしれません。ただ、顧客と接する最前線で新しいプロダクトを生み出さなくてはならないITビジネスや、ITを活用したサービス業などでは、こうした動きはもはや前提となっていくでしょう。そこでいったん「仕事ができる」と評価されたマネジャーはどんどん仕事が集まり、その結果またスキルを上げていくという好循環が生まれるのです。

それではこれからのマネジャーにはどのような資質が求められるのでしょうか。ここでは5つのものを紹介します。

マネジャーにとって重要になる素質

1つ目はこの連載の2回目でも触れた問題解決(課題解決)能力です。ビジネスは極論すれば問題解決の連続です。論理的思考力に基づいた問題解決力に加え、テクノロジーを活用したテクノベート・シンキングに基づく問題解決能力を高める必要があります。特に「ありたい姿(あるべき姿)」を構想・設定することはAIにはできませんから、人間の価値が大きくつく部分です。まずはこの力を高めましょう。

2つ目は難しい意思決定をする力です。難しい意思決定とは、定型的なものや社内に十分にノウハウがあるもの、あるいは生成AIにプロンプトを与えればすぐにヒントが返ってくるようなものではなく、利害関係が複雑に絡んだものや、組織の大きな方向転換を伴うものです。これらは通常、組織における重要度も高いものになります。そうした難しい意思決定から逃げずに、しっかり高速で行うことが必要です。そのためには、考える能力に加え、勇気や決断力が必要になります。優柔不断なマネジャーでは成果を残せないのです。

3つ目は論理思考力に基づいた言語化能力です。先述したように、配下のリソースも均等かつ均質な5人などではなくなってしまいます。さまざまなタイプの人材が配下にいるため、より細かいレベルで、どういう仕事を誰に割り振るのかを言語化しなくてはならないのです。言語化能力を鍛えることは、人を動かすことや、ナレッジ共有を通じた組織の規模化にも貢献します。ロジカルでありつつ、人情の機微にも触れることのできる言葉の力を身に付けたいものです。

4つ目は透明性や信頼です。多くの人に「この人は信頼できる」と思ってもらうことが非常に重要です。嘘をつかない、あるいは相手に配慮できるという要素が大事になります。リーダーシップ論で言えば、オーセンティック・リーダーシップ、すなわち自己認識や透明性、倫理的な行動、そしてステークホルダーへの理解を基盤とするリーダーシップのスタイルが好ましいものとなります。

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