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新卒入社も「10カ月」で退社、28歳彼女が戻った訳 元バレエダンサーの人事、転職で気付いたこと

東洋経済オンライン / 2024年3月23日 11時40分

同じような考え方でバレエに向き合っていたらなって思いました。もっと、筋肉や骨の仕組みを理解したり、身体の使い方が変わっていたでしょう」

バレエ団で奮闘するかつての仲間たちの一方で、インターンに奮闘した阿南さん。

「私にとっては、ビジネスの場にいることすらコンプレックスで。だから、キュービックでのインターンが私にとっては背水の陣というか。今思えば、考えすぎかもしれませんが、当時は必死でした」

1年足らずで退職を決意

その後、インターン生を対象とした社内賞を受賞するなど活躍、組織開発を担う社長直下のコーポレートデザイン室の立ち上げに参画。2018年に新卒でキュービックに人事として入社。能力開発の仕事に従事することになる。

しかし、翌年2月。新卒入社から1年経たずして、キュービックを退職することになった。

「学生時代にインターンをしていた時って、周りに長期インターンしている人がほぼいない状況でした。だから、それだけで自分は周囲と差別化できているような気がしていたんです。でも、いざ就職してみると、働いていることがアイデンティティにはなりません。

また、自分の業務内容にも自信が持てなくなっていきました。『そもそも会社はなぜ長期インターンを続けようとしているんだろう。会社が大きくなって、社会的責任も大きくなっているこの状況なのに、なぜ、正社員ではなくて、インターン生なんだろう……』。

振り返ると、当時の私はバレエで頑張っている仲間たちに対する、コンプレックスを払拭できていなかったんだと思います。当時はそれが苦しくて、この先、何をどうしたらいいか、自分が何者になりたいのか、わからなくなっていました。

また、一般的な就活をしないまま就職してしまったことも影響していると思います。通常、学生時代にみんなが行う、自己分析や業界研究など、就職活動で自分と向き合う作業。選考に落ちたり、受かったりして、自分はどんな人間で、どんな将来を描きたいかを真剣に考え抜く。それらをすっ飛ばしてしまったんですよね」

売り手市場であり、採用難が続く時代だからこそ、学生インターン生を雇用し育成することは非常に素晴らしい経験やノウハウだと思うのだが、しかし、当時の彼女はそれ以上に、”アイデンティティを探したい”という気持ちが強かったのだ。

起業を視野に入れた転職

こうして、PR代理店へ転職することになる。やはりエンタメの世界にチャレンジしたい気持ちが強く、そのステップとして考えていたのだ。

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