SL列車、引退だけでなく「値上げ」も増えた事情 JR各社が指定席料金アップ、今まで安すぎた?
東洋経済オンライン / 2024年3月23日 6時30分
各地で観光客の人気を集めるSL列車。乗客だけでなく、沿線で見物する人や「撮り鉄」も押し寄せ、地域はにぎわう。
【写真】2024年3月23日運行終了のJR九州「SL人吉」。東武鉄道の「SL大樹」はJRの値上げの中で相対的に安い印象だ
そんなSL列車も、老朽化などにより運行終了が目立つようになってきた。大正時代生まれの蒸気機関車「8620形」が牽引するJR九州の「SL人吉」は2024年3月23日引退。2023年にはJR東日本の釜石線を走っていた「SL銀河」、2021年にはJR西日本の「SL北びわこ号」が運行を終了している。
そして、運行を続けるSL列車に広がっているのが「値上げ」である。
「乗り得」だったSL列車
従来、JR各社のSL列車は「乗り得列車」として知られていた。列車の種別は「快速」のため特急料金などは不要で、観光客の誘客を主な目的とする列車として乗車券と指定席券(列車によっては指定席グリーン券)のみで乗ることができた。「青春18きっぷ」でも、530円(時期によっては330円)の指定席料金を負担すれば乗車できるというものである。
それでも出発地までや到着地からの鉄道利用、また現地での消費をうながすことで鉄道会社にも地域にもメリットを生むのがSL列車であり、地域の観光振興が運行の理由にもなってきた。実際、SL列車は人気の高さから指定席が確保しにくいことが多く、普段の一般列車は1両や2両でも、SL列車は長い編成ということが多い。
2月19日、JR西日本は山口線で運転するSL列車「SLやまぐち号」の料金値上げを発表した。普通車指定席は530円(子ども半額、一部期間は330円)から倍以上の1680円に、グリーン料金(大人・子ども同額)は50kmまで780円、100kmまで1000円だったのが距離を問わず2500円となった。
新料金の適用は2024年3月16日からだが、SLやまぐち号は炭水車の不具合により2022年5月から運転を取りやめており、早ければ5月ごろの運転再開を目指している状態だ。このため、新料金は運転再開後から適用になる。なお、SLやまぐち号と同じ客車を使う「DLやまぐち号」なども同様の料金となる。ちなみに新山口から津和野まで全区間(約63km)を土休日に乗車した場合、大人1人分の乗車券と指定席券を合わせた額は1700円から2850円に、乗車券とグリーン券では2170円から3670円に上がる。
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