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「訪日旅行はバブルだ」星野リゾート代表が警鐘 オーバーツーリズムを放置すれば満足度落ちる

東洋経済オンライン / 2024年3月23日 7時30分

1980年代は北米やEU(欧州連合)のホテルと背比べの状態だったが、すでに(その差は)大きくなってしまった。これから運営特化に切り替えるホテルはさまざまな面でキャッチアップが必要となってくる。

市場戦略視点のブランド戦略が非常に大事

また正しいブランド戦略のもと運営特化に切り替えているのか、または(財務面など)何らかの問題で資産売却が必要なため、売却ありきで運営特化をしているのかでは、大きな差がある。当社は1990年代から運営に特化している。覚悟の差がある。

――MCでの出店で成功するために重要なことはありますか。

市場戦略視点のブランド戦略が非常に大事だ。

例えば、熱海や石川の温泉旅館は老舗温泉旅館を「界」(土地ごとの特色を生かした温泉旅館ブランド)のブランドに変えた。批判もあったし、常連客が離れるなど、ブランドを捨てるデメリットはあったが、統一するメリットを取りにいった。

統合しないとブランドのスケールメリットを得られない。ブランド力が利益率などさまざまなところに響いてくる。気合いの入ったブランド戦略を徹底できるかが日本のホテルには問われている。

オーナーは短期的な目的で要望がくる。それらの要望に応えるところ、応えてはいけないところの線引きをする必要がある。例えば星野リゾートでは界は「じゃらん」、星のやは「楽天トラベル」のみと取引をしている。1つに絞ればよいリレーションを構築できる。

――星野リゾートは都市型のレジャーホテルブランド「OMO(おも)」や若年層をターゲットとしたホテルブランドBEB(ベブ)など最近はブランドを多角化しています。

われわれはニッチャー(市場規模は小さいものの特定分野で独自の地位を築く企業)から入った。星野リゾートはこれまで外資系が興味を示さない津軽、竹富島、トマムに日本人を呼び込み、業績を上げていった。

ホテルレストランの地位は相対的に下がった

今後は(差別化戦略でリーダーを目指せる)チャレンジャーになっていくために必要なのがOMOだ。都市部で勝てることができるのがチャレンジャーの条件だ。

その試金石となるのが2024年6月に開業するOMO7高知(レストランやウエディングを併設したホテル日航高知旭ロイヤルが前身)だ。2018年に開業したOMO7旭川の1月の稼働は85%を超えており、グランドホテル再生の方程式が見えてきた。

グランドホテルは1つの建物で宿泊・レストラン・婚礼・宴会の4つの事業をやっている。しかし宿泊客が結婚するわけではなく、4つの事業の間ではシナジーが利いていない。またホテルウエディングは1970〜1980年代が全盛期で、専門ブライダル事業者に奪われた。

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