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「黄色いグルメガイド」ゴ・エ・ミヨが目指すもの 47都道府県を網羅するレストランガイド本

東洋経済オンライン / 2024年3月23日 17時30分

「震災があって、楽しみにしていたこの授賞式に出席するか、ぎりぎりまで悩みましたが、自分が前を向いて一歩踏み出すことで能登の経済が上向く雰囲気になってほしくて出席を決めました。

自分が一本杉通り復興の旗振り役にならないといけないと思っているし、賞をいただいて、一本杉通りで復活するという強い覚悟を持っている自分の姿を見せることでみんなを元気づけたい。

若い人も年配の人も生産者も料理人も、地域ぐるみ、『チーム能登』で復活するという思いでやっていきたいと思っています」(川嶋さん)

三重県志摩市の志摩観光ホテル「ラ・メール」の樋口宏江さんには、「トランスミッション賞」が贈られた。

「トランスミッション賞」は、培ってきた知識と技術を、時に国を超え、世代を超えてトランスミッションする(=伝える)ことに多大な貢献が認められた料理人に贈られる。

樋口さんは、開業70年を超えるリゾートホテル「志摩観光ホテル」の総料理長でもあり、2016年には「G7 伊勢志摩サミット」のワーキング・ディナーを担当した。

「先々代(第5代総料理長・高橋忠之氏)の時から、アワビや伊勢海老をはじめとする伊勢志摩の素晴らしい食材を使ったフランス料理を『海の幸フランス料理』として発信してきました。その料理哲学をあとの世代にもつなげることが私の役目だと思います。

女性の料理人はまだ多くないのですが、出産・育児に限らず、不意な出来事で一時的に職場を離れなければならないのは女性だけとは限りません。そういう意味でも、女性をはじめ誰もが働きやすい制度作りに取り組むことも必要だと思っています」(樋口さん)

生産者たちも壇上に上がった授賞式

レストランの存在が、土地に人を呼び込む、いわゆるフードツーリズムの重要な要素として改めて注目されている。

生産者と料理人の距離が近くなることで、土地の個性ある生産者、また食器やカトラリーを扱う職人などとともに地域を発展させるという考えが共有されていくだろう。

ゴ・エ・ミヨは「新しい才能の発見」と並んで「その土地ごとの食文化“テロワール”」を重視している。料理の個性には、その地ならではの食材が大きく寄与するという考えからだ。

授賞式のあとのパーティの席上では、各地域の料理人や生産者たちが思い思いに壇上に上がり、大勢で記念写真を撮る光景が見られた。

なかでも東北6県は、東北地方掲載店だけの受賞パーティを今回の授賞式とは別に、郡山市で開催するという。

「横のつながり」が全国のレベルを上げる

レストランは1軒1軒がばらばらにあるのではない。農作物や魚介類を通しておのずから地域内でのつながりが生まれる。

今回掲載の532軒はいずれも、それらの中核になりうる店だ。その横のつながりが全国の飲食店のコミュニケーションを促進し、日本全国の食のレベルを上げていくはずだ。

星野 うずら:レストランジャーナリスト

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