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視力や認知機能低下より怖い交通事故になる要因 交通事故率を下げる簡単トレーニングを紹介

東洋経済オンライン / 2024年3月24日 17時0分

認知機能検査は視力検査と比較すると交通事故の発生を予測できるということがわかっています。しかし認知機能というのは事故との関連はやや低くなります。物の名前を覚えているなどということは確かに記憶や生活には大切なのですが忘れっぽいことと事故の発生の間には開きが出てしまうからです。

そこで事故との関連が示されているのが有効視野という指標です。有効視野とは見える範囲視野を有効に使えている範囲です。まず医学的に言う視野とは片目で見て目を動かさずに見える範囲を言います。

例えば左目を閉じて右目だけで見る。まっすぐ見たままどのぐらいの範囲が見えるのか?というものです。鼻側はよく見えない一方で耳側はよく見えているという感じになります。年齢により多少視野は狭くなるものの大きくは変わらないという特徴があります。そのため視野が狭くなったときというのは病気など医療のアプローチが必要な可能性が高くなります。

一般に言う視野は、「両目を開けてどのぐらい見えているのか?」を指します。「あの人は視野が広い」というのは両目を開けて普通に生活をしているときにどの範囲まで見えて判断できているのか?ということです。そのため目を動かすということも許容している状態です。

有効視野というのはこの間のようなものです。目の機能を測るための厳しい指標というわけでもなく、実践的ゆえにあいまいなものでもないものです。具体的には両目を開けてまっすぐ見る。そして真ん中をちゃんと見た状態でそのまま周りがどのぐらい認識できるか?ということです。

「見えるか?」ではなくて「認識できるか?」です。検査であれば周辺にあるものが何かわからなくても「何かある」とわかるだけでよいです。でも現実世界では運転をしているときに周辺から何かが来た。それがビニール袋なら回避行動をしてハンドルを切るほうがむしろ危険です。

一方で周辺から来たものが人間ならば必ず回避行動をしてハンドルを切らなければいけません。なので「何となく見える」ではなくて「認識できる」範囲、つまり有効に使えている範囲を有効視野と言います。

有効視野は視力や認知機能検査のMMSEという有名な検査と比較しても事故の可能性を言い当てます(※1)。まっすぐ見ながら周辺から何か出てくるという場面こそが事故で多いからです。有効視野が広ければ事故を避ける行動がとれます。通常の視野と異なり、有効視野は年齢によって狭くなります。だからこそ若い人より高齢者のほうが事故を起こしやすくなるわけです。

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