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NTT西日本、辞任社長が語った「改革途上」の無念 顧客情報900万件流出の責任とり3月末で辞任へ

東洋経済オンライン / 2024年3月25日 7時30分

200億円の利益をカバーしようとすると、同じ額のコスト削減をするか、(NTT西日本の営業利益率は約10%のため)2000億円規模の新たなビジネスを創出するかの2択となる。コスト削減はこれまでにもやってきており、なかなか簡単にはいかない。

ただ、事業の中身や体質は着実に変わってきている。NTT西は地域密着が最大の強みだが、売り上げと利益を追求する姿勢が(社長就任の)当時は足りなかった。従業員には「利益をあげないとこの会社はダメだ」とずっと話してきて、意識の改革が進んだと思っている。

採算改善に向けて選別受注や作業工程の内製化を進めたほか、個別の企業・自治体ごとのSI(システム・インテグレーション)案件は極力、標準化したサービスを展開するようになっている。

今後2~3年で伸びる下地はできた

――固定電話の収益は今後も落ち込み続けることが見込まれます。就任当初、代わりとなる新規事業の売上高比率を2025年度までに5割以上とする目標を掲げましたが、その進捗は。

高速光回線やDX(デジタルトランスフォーメーション)、電子漫画などを含む新規事業の売上高比率は、2021年度に3分の1だったが、2023年度には(まだ決算が締まっていないため)正確ではないものの、4割弱になると想定している。

「5割以上」の目標達成は厳しい状況だが、2025年度に向けて成長分野の事業の伸びを期待できるようになってきた。

新規事業は仕込み段階のもののほうが多い。2023年度はまだまだ(数字として)上がり切っていないが、今後2~3年かけて伸びていく下地ができてきている。こうした事業の拡大が、会社全体としても業績改善のドライバーになるだろう。

――具体的にどんな事業で成長を見込んでいるのでしょうか。

まず自治体向けだ。(政府・自治体が扱う業務システムのITプラットフォームとなる)「ガバメントクラウド」の導入に伴い、2025年度末までにすべての自治体は国民年金や介護保険など20の業務システムを同クラウドへ準拠したものに移行することになる。

こうした20種類以外の業務システムについても、地域ごとのプラットフォームやプライベートクラウドのようなものが必要になってくる。そういったシステムのクラウド移行やセキュリティ、ネットワーク構築から日々のオペレーションに至るまで、NTT西がまるっと請け負う形での提案を始めている。

一方、2023年5月にはマイクロソフトとの協業を開始し、「マイクロソフト365(旧オフィス365)」や「Azure(アジュール)」など同社のサービスを使いながら、自治体向けにシステムのクラウド化やDX関連などのソリューションを共同で提案している。

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