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つくたべやワタサバ「NHK夜ドラ」ヒットの背景 平日「夜の15分ドラマ」製作の狙いを聞いた

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 11時0分

また、お笑いタレントの丸山礼が自己中心的で破天荒な主人公を演じる『ワタシってサバサバしてるから』は、当初は「夜ドラ」枠と親和性があるのか、編成部内で議論になったというが、結果的には幅広い年代の視聴者に見られるヒット作となった。

民放ドラマと比べても、夜の15分帯ドラマは珍しい。国民的ドラマである「朝ドラ」とは対象年齢層が異なるが、そこで培ってきた帯枠ならではのリズムやテンポといった知見は、NHKの強みとして「夜ドラ」にも活かされているようだ。

特に「夜ドラ」に関しては、1時間や2時間ドラマとは異なる、15分ドラマの“ゆるい楽しさ”が現代人の感性やライフスタイルにマッチしているのかもしれない。

そんななかで、女性の厚い支持を長く受けるヒット作になったのが、冒頭でも紹介した、『作りたい女と食べたい女』(2022年11〜12月)だ。好評を得て、2024年1〜2月にシーズン2が放送され、「夜ドラ」初の続編作品となった。

続編が生まれたことは、2022年の「夜ドラ」開始から少しずつ認知と関心が高まり、視聴者に定着してきていることの1つの証しになるだろう。

本作は国内だけでなく、海外からの反響も大きいという。フランス・カンヌで毎年開催される世界最大の国際テレビ見本市MIPCOMでは、LGBTQIA+部門のファイナリストに選出された。

同作シーズン1は、料理を作って食べることがメインであり、女性2人の半径5メートルの生活を映し出し、2人の世界観にふわっと入っていけるストーリーだった。

シーズン2では、その空気感をそのままに、性的マイノリティが社会で直面するセクシャリティ問題や、家族、友人関係にも踏み込んだ、社会性の高い物語になった。シーズン2では、“気楽に見られる”「夜ドラ」の中でも、視聴者が考えさせられるような場面もあったが、いまの時代を切り取った女性たちの生き方に共感が集まり、シーズン2は、総合視聴率、NHKプラス、いずれも「夜ドラ」枠で最高の数字になったという。

シーズン2の最終回放送時には、シーズン3への待望の声がSNSなどに湧き上がっていたが、いまのところシーズン3は計画されていないと言う。

「3があるかどうかは制作サイドともこれから検討すると思いますが、続編を求める声が上がるのは、NHKとして大変嬉しいです」(手塚氏)

視聴スタイルが多様化する

こうした名作と呼べる人気作を重ねていくことで、「夜ドラ」というブランドは確固たるものに育ちつつある。

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