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つくたべやワタサバ「NHK夜ドラ」ヒットの背景 平日「夜の15分ドラマ」製作の狙いを聞いた

東洋経済オンライン / 2024年3月27日 11時0分

手塚氏は、「『夜ドラ』のインスタグラムのアカウントには、ドラマが変わってもずっとフォローしていただけるファンの方が少しずつ増えています。枠として楽しみにしてくださる方が一定数いて、期待を感じています」と笑顔を見せる。

そんな「夜ドラ」の現在地を聞くと、知名度が徐々に上がりつつあるとはいえ、小西氏は「まだまだ認知が十分とは思っていません」と分析する。

「NHKプラスなどで朝の通勤中にご覧になる方も多くいらっしゃいますし、いろいろな視聴スタイルがあると思います。『夜ドラ』という枠の浸透が成功なのかという考え方も含めて、そのあり方を探っているところです」(小西氏)

映像メディアがあふれかえり、視聴スタイルが多様化する現在。Z世代をはじめ若い層においては、リアルタイムでドラマを視聴する人は少数派になるだろう。また、「夜ドラ」は月曜〜木曜の回を金曜にまとめて放送しており、ふつうのサイズのドラマとしても見ることができる。

であれば、夜の帯枠という意義はどこにあるのか。

「過去を振り返れば、枠で視聴習慣を持っていただくことはテレビの特性としてはありがたいことでしたが、この数年で視聴習慣は多様化しています。リアルタイムで視聴してほしい一方で、NHKプラスの配信でも見てほしい思いもあります」(小西氏)。

看板の帯枠は持っているものの、現実ではNHKプラスの見逃し配信視聴が増えている。そんな時代の「夜ドラ」を小西氏は、「視聴者それぞれの時間のなかで楽しんでいただけるコンテンツとして、15分で気楽に触れられるテーマのドラマを、どのような形でもお楽しみいただけるということが大事だと思います」と語る。

番組のつなぎとしても存在感発揮

こうした視聴習慣の変化がある一方で、「夜ドラ」は、前後の番組のつなぎとしても存在感を高めている。

たとえば「夜ドラ」の視聴者が、放送が終わった直後の23時から始まる、星野源と松重豊がMCの音楽番組『おげんさんのサブスク堂』や、所ジョージが社会の片隅で起きる不思議な事件や事象を取り上げる情報番組『所さん!事件ですよ』を続けて見ることで、これらの番組の新たなファンになるかもしれない。そういうテレビの流れのなかでの帯枠としての「夜ドラ」の役割もある。

「平日の夜にリアルタイムでのんびりドラマを見ていただいて、前後の番組を含めてNHKの魅力的なコンテンツをより楽しんでいただくのが夜ドラの挑戦の1つです」(手塚氏)

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