1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

東大生伝授、使えると便利「片手で31まで」数える術 知ると視野が広がる「n進法」の興味深い世界

東洋経済オンライン / 2024年3月28日 11時30分

片手で多く数える方法を解説します(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

数学を使った世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「n進法」について解説します。

思い出してほしい「2進法」のロジック

今回は、まずこちらのクイズから考えてみましょう。

【図で理解】2進法を使って片手で31まで数える方法

問題:片手を使って数えられる数はいくつまでですか?

いかがでしょうか。おそらく多くの方は「5」だと考えるでしょう。実際にこの数え方を使ってものを数えたり、何かを表現したりすることもあると思います。

しかしこの問いを僕の周りの東大生に投げかけると、「31」や「32」と答える人が現れるのです。これは驚きですよね。

この「31」や「32」はどのようなロジックで導き出されているのか。ここに中学校や高校の数学で習う「2進法」という数字の考え方が隠されているのです。

2進法とは0と1だけで数を表す記法のことで、それによって表された数を2進数と呼びます。コンピューターの電子回路などで使われているため、その名前を聞いたことがあるという人も多いでしょう。

2進法で表された数は「101」、「1001110」などのように、0または1の数が各位で連続することになります。2進数での数の数え方を小さいものから順に考えると、次のようになります。

■10進法 → 2進法

0 → 0

1 → 1

2 → 10

3 → 11

4 → 100

5 → 101

6 → 110

7 → 111

8 → 1000

9 → 1001

10 → 1010

0と1しか使えないため、1の次に大きい数は「2」にはならず、位がひとつ増えて「10」になります。

同じ要領で進めていくと、1を1番目とした際の10番目の数は「1010」の4桁で表されることがわかります。

ちなみに、われわれが普段当たり前に使っている数の数え方は「10進法」と言います。これもいくつかの数の記法のうちの1つでしかないのです。0から9までの10種類の数を使ってものの大小を表しているので、10進数となります。

話を戻しましょう。ここまで説明した2進法の考え方を応用すると、片手でより多くの数を表すことができるのです。

親指から小指までの5本の指において、それぞれ指を「開いている」状態と、「折っている」状態の2種類が存在します。

この2種類にそれぞれ「開いている」場合は「0」、「折っている」場合は「1」というふうに2進法の数を対応させます。そして「親指だけを折っている状態」を「1」、「人差し指だけを折っている状態」を「10」というふうに2進数で表してみましょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください