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「一期一会」の理解度にマネジャーの実力差が出る できる上司は自然とやっている仕事依頼のコツ

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 9時0分

こんな曖昧な表現を使うマネジャーがいるが、これはマズい。すべての機会を大切にする「一期一会」の教えに背いていることになる。部下の立場からすれば、どう取り組むことでマネジャーが求める成果を出せるのか無駄に迷うことになり、結果的に「タイパが悪い」指示だと受け止められるだろう。

これは「ダメだし文化」に染まってきた昭和世代の悪しき伝統だ。相手よりも自分のほうが優位だということをわからせるために、

「何事もまずは経験だ」

と言ってやり方を教えず「とりあえずやってみろ」「まずは手を動かせ」と指示をする。そして失敗させ、一度恥をかかせてから、上から目線で仕事を教えるというやり方だ。

「私が新入社員だった頃は、いきなりお客様のところへ行かされたもんだ。上司は何も教えてくれなかった。泣きそうになりながらお客様をまわったんだぞ」

「だけど、あの修業時代があったから、今の私がある」

こんなエピソードトークをする上司の気持ちを、私もわからないでもない。バブル全盛期に社会人になった「昭和ど真ん中世代」だからだ。

とはいえ、このような理不尽な修業時代は、ないほうがいいに決まっている。自分が苦労したからといって、若い部下にも同じ経験をさせる必要はないのだ。

仕事を依頼する「前」にすべきたった一つのこと

大事なことは部下と一緒に「見通し」を立てることだ。特に経験の浅い部下を持つ場合は、

「とりあえずやれ」

ではなく、

「一緒に仕事の見通しを立てよう」

と声をかけるのだ。

「見通し」とは、物事の進展や将来を予測すること。具体的には、「始めから終わりまで」を明確に見通せるようにすることだ。

たとえば、分析の仕事を依頼する場合、どのようなパラメータが重要か、それをどう分析し、結果をどうまとめるかという点を、部下に問いかけることで明確化させるのだ。

急かさず、否定せず、丁寧にやろう。困ったときには、掘り下げる質問を繰り返してみる。

「より具体的には何をすればいい?」

「たとえば何がある?」

具体的に掘り下げるには、この2つの質問は便利だ。

部下の考えを促すコツは、尋問にならないよう柔らかい表現で質問していくこと。そして適宜助け船を出すこと。上司自身もわからなければ、素直に伝えるのもいい。

「実は私もわかってないんだ。一緒に考えないか?」

「そうなんですね。お願いします」

この共同作業によって「見通し」が立つと、仕事の進行がより明確になり、部下も自信を持って取り組むことができる。

「反省の気付き」を減らして「発見の気付き」を増やす!

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