賭博問題、アメリカでの「大谷へのリアルな評価」 LAタイムズ紙は極めて厳しいコラムを掲載
東洋経済オンライン / 2024年3月29日 16時10分
アメリカ大リーグのロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏の違法スポーツ賭博に絡む疑惑は、全米のスポーツファンを驚かせた。「心から大谷を信じたい」と多くのファンが声援を送る一方で、「腑に落ちない。意味を成さない」(スポーツジャーナリスト)という冷静な見方も目立つ。
応援したいが「情報が少なすぎる」
アメリカ生まれで福岡県に住む北九州市立大学准教授アン・クレシーニさんは「日本では『大谷を信じる』という声が目立つが、アメリカ人は割と疑念を抱いている。私自身は、大谷は信じられないほどナイーブな人なのだと思うけど」と話す。アメリカメディアを通じて、事件の推移を見守る。
ニューヨークに住む「大の野球ファン」、スーザン・ミヤギ・マコーマックさんは、CBSスポーツチャンネルなどの試合中継グラフィックス・オペレーター。「Nichibei Yakyu: US Tours of Japan, Volume II:1960-2019」の共著者で、日米野球界の違いにも詳しい。
「心の底から、大谷を応援したい。礼儀正しく、思いやりがあって、球界トップのスーパースターだから。でも頭の中では、『彼が絶対にギャンブルをしなかったと言えるのだろうか』『大谷は声明で、被害の総額などについて答えなかった』など、情報が少なすぎることも理解している」とマコーマックさん。
当局の捜査の結果、大谷氏が違法賭博に関わっていたことが判明し、身柄を拘束されるようなことがあった場合、「アメリカだけでなく日本の野球界にとって、恐ろしいことになる」と話す。
日本人・アジア人大リーガーに対する印象が変化してしまう可能性すらあるためだ。またアメリカでは、大谷が「二刀流」が可能なことをアメリカの球界で初めて見せつけたことによって、球児らが「二刀流を目指そう」という夢を追いかけ始めている。
逆に、ロサンゼルスの日本コミュニティ新聞「羅府新報」の永田潤・日本語編集長は、大谷選手が25日(現地時間)、ドジャースタジアムで報道陣に声明を発表したことで、日本人・日系人ファンは「スッキリしたと思う」と話す。
「声明を出したのは、水原氏に対する最大で最後の通牒であり、『決別』ですよね。ファンは、声明を出してくれてよかった、これでプレーに集中できるとホッとしている」
「日本人、アジア人は(社会的に)いいイメージがあるが、地元では、日本人の水原氏が犯罪に手を染めていたというのがショックだと受け止められている」という。
本拠地ロサンゼルスの人々はどうか
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