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マッキンゼー流「休みつつ働く」ことのすごい成果 根を詰めた姿勢は思考を阻害してしまう

東洋経済オンライン / 2024年3月30日 15時0分

「休みつつ働く」という意味での最先端は、やはりアメリカだと言えるでしょう。グーグルやアマゾンといった巨大IT企業のオフィスにはさまざまな仕掛けがあることはよく知られています。

グーグルのオフィスには無料の食堂はもちろん、マッサージルームや瞑想ルーム、バスケットボールコートなど、リラックスできるさまざまな場所があります。アマゾンではペット同伴で働くことも可能です。

IT企業でなくても、社内あるいはビル内にジムがあるのは珍しいことではありません。「会社は働くために来るところだ、遊ぶところではない」と言う人もいるかもしれませんが、「適度な休息をとったほうが効率がいい」ということは、現在の日米格差からも証明されているのかもしれません。

人間がAIに勝る「考える」ための集中

今まで世の中になかった新しいものを生み出す仕事、いわゆる「ゼロイチ」の仕事は、まだしばらく人間の専売特許になりそうです。

人間の複雑な感情に寄り添うような仕事もまた、少なくとも現段階では、人間にしかできない仕事だといえるでしょう。「データ上はこの選択をすべきだが、メンバー1人ひとりの意思を考えると、あえて違う選択をする」などという判断は、AIには難しいでしょう。

私がマッキンゼー時代、よく言われていたことの1つに「情報はセクシーに使え」というものがあります。コンサルティングファームである以上、当然、情報は重要なのですが、それをそのまま分析しただけだと「セクシーではない」と言われてしまうのです。

つまり、得た情報を元に自分なりに「創造」をしなくてはならないということ。そして、そのためには「考える」ということが不可欠だと思うのです。

そう考えると、おのずと求める「集中」の姿も変わってくると思います。記憶や分析のための集中は、いわば今までの集中のイメージです。誰にも邪魔されない別室にこもり、ひたすら長時間、一つの作業をこなしていく。

一方、考えるための集中においては、そうした根を詰めた姿勢からは何も生まれないどころか、むしろ思考を阻害してしまう可能性もあります。

だからこそ私が提唱したいのは、「がむしゃらにがんばる集中ではなく、集中しない集中」なのです。

より具体的に言えば、「適度に休み、適度に集中する」を繰り返す。これは、「リラックスした集中」とも言えるかもしれません。

大嶋 祥誉:センジュヒューマンデザインワークス代表取締役

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