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花粉症対策に悩む人に教えたい「舌下免疫療法」 内服は市販薬で十分、点鼻と点眼薬は要注意

東洋経済オンライン / 2024年3月30日 8時0分

花粉症の症状が年々強くなり、もうどんな薬を使ってもつらい……そんな人に教えたい「舌下免疫療法」とは(写真:Yotsuba/PIXTA)

花粉症の人にとっては不快なシーズン真っ盛り。花粉は1月下旬からスギが飛び始め、4月からはヒノキが始まる。外来では、何人もの「今年花粉デビュー」の方が受診される。たくさんの花粉症の患者さんを診察していると、やはりスギ花粉の時期が一番症状が強い、という方が多い。年々症状が強くなり、もうどんな薬を使ってもつらい、という方も少なくない。そのような方はどう治療すればいいのだろうか?

花粉症のスタンダードな治療

花粉症治療の基本は、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の内服と、点鼻、点眼だ。抗アレルギー薬にはさまざまな種類があり、1日1回服用と、1日2回服用するタイプに大別される。点眼は抗アレルギー薬が基本で、症状の強いときには副腎皮質ステロイドの入った点眼薬を用いる。点鼻薬は、副腎皮質ステロイドがスタンダードだ。症状に応じて、薬を組み合わせて治療する。

抗アレルギー薬の一番の問題は、効果の強い薬は鎮静作用=眠くなることだ。個人差があるので、初めて抗アレルギー薬を服用する人は弱めから始めて、だんだんと強くしていって、自分に合う薬を選ぶことをお勧めしている。すでに何シーズンも治療を受けている場合は、いつもの合っている薬を使うのがいい。抗アレルギー薬1種類でコントロールがつかない人では、2種類を併用することもある。

漢方薬も花粉症に有効だ。鼻水や鼻閉(はなづまり)には小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、目の痒みや赤み、腫れには越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)が代表的な処方だ。2つを併用することも多い。鼻がつまり、鼻水が黄色や黄緑色になるなど副鼻腔炎になった場合は、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)や葛根湯(かっこんとう)を用いることもある。

漢方薬の最大のメリットは、眠くならないことだ。ただし別の副作用がある。小青竜湯と越婢加朮湯に含まれる麻黄は交感神経を刺激するため、血圧が上がり脈拍も増える。高血圧や不整脈の治療を受けている人では要注意だ。そうでなくとも動悸(心臓の鼓動を強く感じる)がして不快に感じる人もいる。

また、同じく両者に含まれる甘草という成分により、高血圧やむくみ、血液中のカリウムの低下が起きることがある。カリウムが低下すると不整脈が起きやすくなる。漢方薬とはいえ薬であり、副作用はゼロではない。短期間であれば問題にはならないかもしれないが、数カ月にわたって服用する場合は、血圧のチェックや、血液検査で副作用のチェックを受けるべきだ。

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