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「ゴミ屋敷に住む20代弟」を救い出した姉の述懐 もしも家族の部屋がゴミ屋敷になってしまったら

東洋経済オンライン / 2024年3月30日 12時0分

「コンビニを経営していた4人家族(父・母・子2人)がいたのですが、ある日父親が事故で亡くなり、その後に子どもも2人とも事故で亡くなり、母親だけが取り残されてしまったんです。ゴミ屋敷になってしまった母親の部屋を私たちで片付けたのですが、あれだけ負の連鎖が起きたらきっと誰でも精神的に参ってしまうでしょう。その末にゴミ屋敷になってしまう可能性はあると思うんです。

このケースは極端かもしれませんが、人によって精神的に耐えられるハードルも変わってきます。職場で嫌なことがあって、たまたまその日に恋人から別れを告げられた……とか。耐えられない人もいるはずです」

ただだらしないわけではなく、ゴミ屋敷になってしまうには必ずと言っていいほどそれなりの理由があるという。何かしらのストレスを抱え、それが原因となって部屋が荒れてしまう。つまり、心の状態が部屋に表れるということだ。

もしも家族の部屋がゴミ屋敷になってしまったら

一人で暮らす親の家が、兄弟姉妹の家が、もしもゴミ屋敷になってしまったら。関係性にもよると思うが、大半の人が想像しただけで胸が締め付けられる気持ちになるだろう。現在、文直氏と一緒にイーブイで働く信定さんも、実は過去に自身の部屋がゴミ屋敷になってしまったことがあった。信定さんがイーブイに入る前の出来事だ。

「僕に知られたらめちゃくちゃ怒られると思ったらしく、母親が全部片付けたみたいです。弟は自分の意見を溜め込んでしまう癖があるんです。何か嫌なことがあっても、“自分が我慢すればいい”と一人で処理しようとするんですけど、たまに爆発してしまう。だから、弟はゴミ屋敷に住む人たちの気持ちが痛いほどわかるはずです」(文直氏)

もし、信定さんの部屋がゴミ屋敷になっていることを知っていたら、文直氏はどんな行動を取っただろうか。

「昔の尖っていた私だったら自分で片付けさせたと思います。“これも経験や”と言って、また同じことになったときのためにも、自分で片付けさせるなり自分で業者を呼んでもらうなりさせる。ただ、こうして年齢も重ねて、日々YouTubeを配信する中で、考えが変わってきました。今なら何も言わず、とりあえず片付けてあげる。理由を聞くのはそれからでいいと思うんです。最初からああだこうだ言っても話してくれないと思うので、いったん抱えている後ろめたい重荷の部分を取ってあげてから、話を聞くと思います」

姉弟間のコミュニケーションがあったからこそ

警察に捜索願を出した後、弟は無事に発見され、今は実家でゆっくり過ごしているという。

「いろんな返済とかも何もされてなかったので、落ち着いて働けるようになったらちょっとずつでも返せるところは返してもらって、返しきれない部分は家族で負担しながらやっていこうかと。弟の“大丈夫”という言葉を鵜呑みにしてしまったところは良くなかったと後になって思います。“ご飯とか持っていくよ”と伝えてはいたんですけど、弟は“大丈夫”って。“部屋に入れたくないんだな”ってなんとなく思うだけでした」(姉)

だが、このような姉弟間のコミュニケーションがあったからこそ、ゴミ屋敷になっていることが発覚し、最終的に解決に至ったのだ。この事例は失敗例ではなく、成功例として捉えてほしいと思う。

國友 公司:ルポライター

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