1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

高齢者の住まい「持ち家なら安心」といえない理由 「終の棲家」を探す際に注意したいポイントとは

東洋経済オンライン / 2024年4月2日 18時0分

自分の状況をふまえた上で、老後にどんな暮らしをしたいかを個々人が具体的に考え、それにかかる費用を準備しておかなければなりません。今の40代、50代は現役のうちから「人生100年」になる可能性を見据えて、考えておいたほうがいいでしょう。

資産と負債を書き出すこともしてみましょう。自分の資産をすべて処分した場合、最終的にプラスになるのかマイナスになるのかは知っておかなければなりません。

「持ち家があるからいざとなったら売れば大丈夫」と思っていても、考えていた価格で売れるとは限りません。買った値段より高く売れるとは、限らないのです。

頭金を少なくして無理なローンを組んで買ってしまうと、売却しようと思った時に、ローンの残債以上で売れないことも多々あります。金利が低いから借りるのではなく、「頭金はあるけれど金利が安いから借りておこう」くらいの余裕がないと、アクシデントがあったときに立ち行かなくなります。

ローン期間中、ずっと同じ収入が得られる保証は、誰にもありません。病気になって働けなくなるかもしれませんし、転職を余儀なくされるかもしれません。家族構成が変わってしまい、世帯収入が減ることだってあり得ることです。

だからこそ家を買うときは、この物件が数十年後にいくらで売れるのか、貸す場合にいくらで貸せるのかまで考えておいたほうがいいでしょう。

また、若い頃には何とも思わない「階段」も、高齢者になると苦痛になる日がきます。平屋でない限り「長いこと階段を上がっていない」ことから、2階で雨漏りしていることにも気がつかない、ハクビシンのような野生の動物が住み着いていた、ということもよくあります。

逆に陽当たりのいい2階リビングも、高齢になると住みづらい家になってしまいます。階段を下りていかねばならないことから、出不精になってしまい認知機能の低下につながります。

また、介護が始まるとリビングにベッドを置くことが多いのですが、1階の方が介護の人が出入りしやすくて便利です。

若い時に好む家が、高齢者に住みやすいとは限らないということです。お洒落なスキップフロアも、高齢者には階段が多くて酷な家になってしまいます。

でも家を買う時に、家族の人数が減ることや自分が高齢になる時のことをイメージできる人はほとんどいないでしょう。そうであるならば、ライフスタイルに合わせて気軽に転居できる賃貸物件も、選択肢としては悪くありません。 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください