「ギスギスした空気」消し飛ぶ最強の会話サイクル 部下の「主体的」な相談を引き出す上司のあり方
東洋経済オンライン / 2024年4月2日 6時50分
そして最も重要なことは主語を「私」にすることである。「私は、目標を絶対達成する組織にする」のような「アイメッセージ」である。「空気」の良くない会社のリーダーは、「あなた」「あなたたち」を主語にいわゆる「ユーメッセージ」を発する。「もっと意識改革をしていこう」「もっとコミュニケーションを密にしてくれないか」と。
主語が「私たち」も良くない。「みんなで変えよう」というメッセージを発している以上、「私だけでなく、みんなにも責任があるよね?」というメッセージを出しているようなものである。相手の考え方を変えたいのなら、まずは自分を「変える」こと。この手順を守るべきである。
メッセージを繰り返すことで少し雰囲気が変わってきたら、次にすべきことは「ルール」を徹底させるプロセスである。組織の目的が「あり方」とすると、ルールは「やり方」である。
存在するのに、守られていないルールは「守れ」とリーダーが言えばいい。もしも未整備なルール、見直すべきルールがあるなら、メンバーたちと話し合って決めていく。「ルールを作っても、どうせ守られない」と冷めた目で見るメンバーもいるかもしれないが、リーダーは気にせず、淡々と進めるべきだ。まだまだ「空気」が発展途上の段階だからだと受け止めればいい。
つまり、リーダーは理念に基づいたルールを設定し、それを守る文化を築くことで組織を導くのである。
ギスギスした空気にしないコミュニケーションとは?
最後にコミュニケーションについて解説する。コミュニケーションは潤滑油の役割になる。
「メッセージ」と「ルール」を意識することによって、組織は変わりはじめる。しかし「メとルのみ組織」だと、ギスギスした空気が漂うことが多い。そこで、定期的にコミュニケーションをとる機会を作ろう。
ポイントは3つである。
(1)単純接触
(2)共時性
(3)自己開示
業務のためのコミュニケーション(用談)ではなく、業務とは関係のないコミュニケーション(雑談)を積極的にできるよう、ルールと仕組みを整備する。
これも「場」を提供するだけで、自主性に任せてはいけない。必ずルールを決める。お互いの関係構築には「単純接触」が大事である。濃厚接触の「社員旅行」「運動会」「飲みニケーション」でなくとも、「挨拶運動」「他部門とのランチ会」などを定期的にやることでも十分だ。
また、同じ時間を共に過ごしていると関係が構築されやすい。この心理効果を「共時性効果」と呼ぶ。メールなど、時間差のあるコミュニケーションは共時性効果が働かない。実際に会ったり、メールよりは共時性効果を期待できる「社内SNS」の利用をお勧めする。
この記事に関連するニュース
-
会話が苦手な人でも出来る「相手から信頼される」話し方
PHPオンライン衆知 / 2024年7月3日 12時0分
-
「報連相を徹底しろ」は今どき通じるのかを考えた かつてはビジネスの基本として叩き込まれたが
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 7時30分
-
リーダーはメンバーの夢を変えよ!「アップサイド」引き出すガイアックスの人材育成の流儀とは【インタビュー】
J-CASTニュース / 2024年6月20日 12時10分
-
部下を褒めるのはNG? 慕われる上司ほど守っている「フィードバックの鉄則」
PHPオンライン衆知 / 2024年6月20日 11時50分
-
「やさしすぎる上司」が有望な若手を退職に追い込む
PHPオンライン衆知 / 2024年6月11日 12時0分
ランキング
-
1《旭川女子高生殺害》事件直前に助け求めたコンビニ店を責める正義の暴走 他のコンビニ店員「時給1000円とかでそこまで担うのは勘弁」
NEWSポストセブン / 2024年7月7日 16時15分
-
2最悪、〈和式トイレ〉で助けを求める事態にも…老後の健康維持のために取り入れておきたい「超簡単な習慣」【60代の人気エッセイストが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月7日 10時0分
-
3サクランボ王国・山形県に異変 6月の暑さで収穫減、対策急務
共同通信 / 2024年7月6日 16時15分
-
4「日本流の戸建て住宅」がアメリカで売れる理由 積水ハウスと住友林業・大和ハウスで戦略に違い
東洋経済オンライン / 2024年7月7日 11時30分
-
5FRBの利下げ開始「9月」の見方強まる…6月の米雇用統計、人手不足の緩和傾向で
読売新聞 / 2024年7月6日 22時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)