BMWが「新しいクラス」を相次いで打ち出す狙い ノイエクラッセが示す「i」とは別のBEVの世界
東洋経済オンライン / 2024年4月3日 11時0分
「なぜ今回、セダンとXを発表したかというと……」。発表会場で、BMW本社のニコライ・グリース広報部長は説明した。コーポレート、ファイナンス、販売、商品、テクノロジー、デザインが、グリース広報部長の守備範囲だ。
「セダンとSAVが、BMWをセールス面でも成功させている2本の重要な柱だからです。今まで存在していなかった、まったく新しく、そしてなじみのある、そんな製品が成功のために重要なのです」
バッテリーはおそらくセダン版で発表された円筒形で、正極側のニッケル含有量を増やす一方でコバルト含有量を減らし、負極側はシリコン含有量を増加させる、というタイプではないか。
リサイクルを増やすことで生産過程におけるCO2排出量を大きく減らすのも、BMWが強調するポイントだ。
ただし、具体的な数値はモーターの諸元とあわせて未発表。ゆえに現段階では「ビジョン」が車名にあるのだと、前出のグリース広報部長は言う。
それでも「アルティメット(究極の)ドライビングマシン」というBMWの製品ポリシーは追求されるそうだ。
もうひとつ、エンジニアリング面での新しさは、ECU(エレクトロニックコントロールユニット)を統合していくというコンセプトにある。
これはドライビング、シャシー、ブレーキング、ステアリングの制御を「ひとつのユニットで」というもの。
「私たちはこれを“スーパーブレイン”と呼んでいます。今回は、他に自動運転など4つのスーパーブレインを使いますが、将来的には1つへと統合していきます。これでパフォーマンスは現行の10倍の速さになるでしょう。これまでどのメーカーも手がけていないコンセプトです」(グリース広報部長)
現行モデルでは、制御する分野が増えるにつれ、ECUの数も増えてきていた。100基を超えるECUを搭載するクルマも市場には存在する。それらがひとつのセンサーからの情報を演繹し、場合によっては複数のECUがワイヤで結びつき、たとえば加速や減速の制御を行う。それでは遅い、というのがBMWの考えだ。
「リダンダンシー(万が一にそなえての多重化や予備の回路増設)の問題さえ解決できれば、単一目的のECUを数多く働かせているのは、時間がかかるだけで無意味なのです。それを効率化することが統合の目的です」(グリース広報部長)
「ニッチ」ではなく「再定義」
ツィプセ会長は、「ノイエクラッセは、ニッチ(市場のすきま)を狙ったコンセプトではありません」と言う。「デザイン、テクノロジー、フィロソフィにおいて、BMWを再定義する内容を持っているのです」と。
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