BMWが「新しいクラス」を相次いで打ち出す狙い ノイエクラッセが示す「i」とは別のBEVの世界
東洋経済オンライン / 2024年4月3日 11時0分
車内のデジタライゼーションにおいても、ビジョン・ノイエクレッセは、新しい時代の先駆けを感じさせる。
システム名称は、2001年の「7シリーズ」から続く「iDrive(アイドライブ)」であるものの、実際は最新の「X1/iX1」や「X2/iX2」と同様、円筒形のコントローラーは廃された。その代わり、タッチと音声による操作が徹底されている。
ビジョン・ノイエクラッセでは、ウインドスクリーンのほとんど端から端までを使う「パノラミックビジョン」を採用し、ウィジェットを多用してより機能性を向上させるとともに、より人間的になるという音声対話システム、それに「HYPERSONX」ステアリングホイールが新しい提案だ。
ステアリングホイールは、なんとスポークが12時と6時の方向の2本という、他に類を見ないデザイン。3時と9時の方向にはスポークを設けていない。
「パノラミックビジョンの採用で、フロントに計器盤がなくなったうえに、ヘッドアップディスプレイを採用するので、親指による操作機能を向上させるのが目的です」
デザインを担当したマクシミリアン・レッシュ氏は、実車に乗り込んでそう説明してくれた。
まだ見ぬノイエクラッセが6種ある
ツィプセ会長は「発表は2025年を予定していて、私たちはそこから24カ月の間に少なくとも6種の“異なったノイエクラッセ”を送り出す予定です」という。そしてこう続けた。
「2030年までに私たちの製品の販売台数は半数がBEVになると今も考えていますが、市場によってBEVが売れるところもあれば、そうでもないところもあります。私たちはあらゆるドライブトレインの開発の手をゆるめませんが、BEVにおいてもベストを提供したいと考えています」
「新しいクラス」を意味する「ノイエクラッセ」が、果たしてどんな存在になっていくのか。まずは、実際にドライブできる日がくるのを楽しみに待とう。
小川 フミオ:モータージャーナリスト
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