若手の電話対応が「テルハラ」になる日本の大問題 海外では想定できない日本企業独特の問題に
東洋経済オンライン / 2024年4月4日 11時20分
しかし、この世代の回答者の大半は、テルハラを訴える新人・若手やテルハラという言葉自体に強く反発していました。
「誰かが電話対応をしなくてはいけないわけで、となれば重要な仕事をしている管理職や中堅層よりも、まだ補助的な仕事しかしていない新人・若手がやることになるでしょ。当たり前のことを理解しようとせず、『不快だ』と自分の感情をぶちまけるって、ちょっとおかしくないですか」(30代男性)
「そんなことまでハラスメントなんですか。いわゆる『ハラハラ』ですね。会社の仕事なんて、半分以上は不快に感じること。不快なことがあるたびに『ハラスメントだ!』とか騒ぎ立てる人って、働くのが苦痛でしょうね。まともな会社生活を送れるのか、将来を心配しちゃいます」(40代女性)
ここでの「ハラハラ」とは、ハラスメント・ハラスメントの略で、正当な業務命令などでもハラスメントだと騒ぎ立てる行為です。たしかに、何でもかんでもハラスメントになってしまうという風潮はありそうです。
さて、今回ヒアリングをして興味深かったのは、テルハラの被害者だとされている新人・若手から「電話対応は不快・苦痛だが、ハラスメントではない」とする声を多く聞いたことです。
「電話で話すのは子どもの頃から苦手です。今も外部からのクレーム電話に対応するのは苦痛です。でも、苦痛に感じたらなんでもハラスメントになるんですかね。電話対応をちゃんとやったら次はこの仕事ってステップアップしていったので、不満はありませんよ」(20代男性)
「テルハラだと騒ぐ人は、『暇そうにしているオジサンだっているのに、どうして私なの?』と不満なんでしょうね。でも、それを言ったら、他の仕事だって給料だって年功序列的な要素が多々あるわけです。不公平ですが、ハラスメントだとは思いません」(20代女性)
ちなみに、新入社員教育を主催する人事部門の担当者に意見を聞いたところ、テルハラを問題視しておらず、むしろ電話対応を重視している様子がうかがえました。
「近年フリーアドレスや在宅の促進で固定電話にかかってくる電話が減って、しかも営業電話ばかり。こうした事情から、電話対応の訓練を新入社員教育から外すことも検討しましたが、今年も実施します。新入社員に聞くと、結構『電話を取るの頑張ってます!』という前向きな声が多いですし、仕事や関係者を知るうえで重要な業務だと考えます」(素材メーカー・人事部門)
テルハラは日本独特の問題
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