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菅義偉氏「派閥問題」で沈む今の自民党に思うこと 完全無派閥の前首相が国民の自民党離れに危機感

東洋経済オンライン / 2024年4月5日 8時30分

塩田:ほかに、政権担当中にやりたいと考えていたプランや構想はありませんか。

菅:私はもともと横浜市議会議員出身で、また秋田県の生まれということで、地方創生に力を入れてきました。やはりそこですね。外交・安全保障で心残りなのは中国です。近隣ですから、いろいろな問題があってもしっかり向き合い、つきあっていかなければいけない国だと思っています。

塩田:現在の日本の状況を見て、歴史の中で今の日本はどういう問題点を抱えていて、今後、政治は何をしなければいけないと思いますか。

菅:政治はやっぱり常に改革意欲を持って進んでいかなければだめだと思いますね。今、私どもが直面しています政治改革はもちろんですけど、先ほどの半導体についても、いつの間にか8割も輸入する状態になっていたわけです。政治はまず実態をしっかりと見極めて、必要な改革を絶えず行っていかなくてはいけません。

塩田:長く政治の世界で活躍したリーダーの方々にインタビューで一言、いつも尋ねることにしている質問があります。「政治が果たすべき最大の役割や使命は何か」という根源的な問いです。その点をどうお考えですか。

国民の食いぶちを作るのが仕事

菅:私の「政治の師」は梶山静六さん(元自民党幹事長、元官房長官)ですが、私が衆議院議員に初当選してあいさつに行ったとき、「おまえは大変なときに政治家になった。人口は減少して、経済はデフレだ」と言われた。あの人は口が悪いですから。「国民の食いぶちを作るのがおまえの仕事だ」と言っていました。ですから、私はいろいろなところで、「国民の食いぶちを作るのが仕事」と話をしています。

カーボンニュートラルは、まさに食いぶちだというのが私の強い信念で、事前に誰にも相談しないで、国会での所信表明演説で宣言したのです。

塩田:国民の食いぶちという点で、現在の日本はいい時代ですか、厳しいときですか。

菅:これだけ人口が減少していますから、厳しくなってきています。それに耐えられる社会を作り上げる必要があります。

塩田:マスメディアの世論調査を見ていて、大きな違いがある、と気づいた点があります。時事通信の2023年10月の調査で、この時点では岸田内閣の支持率は26.3%でしたが、年代別の支持率を見ると、18~29歳は10.3%、30歳代は18.1%となっていました。安倍内閣時代、18~29歳と30歳代の支持率はおおむね30%超で、現在は若い世代の支持が大きく後退しているようです。今の自民党にとって、かなり衝撃的な事態ではないかと思います。

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