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妖精に扮す社長が売る「国産きくらげ」の希少価値 箸を持つ手が止まらない「きくらげラー油」

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 12時30分

また、けっぴーの誕生とほぼ同時進行で福島県の老舗漬物佃煮製造会社「小田原屋」に製造を依頼していたのが、前出の「きくらげラー油」だ。2021年2月に発売され、半年で7000個を売り上げるヒット商品となった。その後、「きくらげしそ高菜」や「きくらげ高菜ラー油」も加わり、全3種類がラインナップ。今では「木耳のお店」の主力商品となっている。

「『きくらげラー油』などの佃煮を販売したことで、きくらげを日々の食生活の中に採り入れるきっかけを作ることはできたと思っています。しかし、日常的に食べる習慣があるかといえばそうではありません。そもそも1日3食しかないので、そこに入り込むのはとても難しいのです」(喚田さん)

きくらげ粉末入りのスイーツ店を開店

喚田さんの次の一手は昨年12月、豊川市の豊川稲荷の門前の一角にオープンさせた「甘味処 よび田屋」だった。甘味ときくらげは結びつかないどころか、むしろ対極にあるような気もするが、実は本わらび粉を使ったわらび餅のほか、白玉だんごからレモネード、ハーブティーなどのドリンクに至るまですべて粉末状にしたきくらげが入っているという。

「スイーツであれば、食事以外のいろんな時間帯に食べることができると思ったんです。それと、きくらげはどうしても中華料理のイメージを抱きがちですが、スイーツにも使うことができるというきくらげの可能性を広げたいと思いました」(喚田さん)

スイーツやドリンクに用いられるのは、1万枚に1枚ほどの確率で発生する色素のない白いきくらげ。それを乾燥させて粉末状にしたものをわらび餅や白玉だんごに加えると、よりもっちりとした食感になるという。一方、ドリンクにはあえて粒感を残したきくらげが入っていて、タピオカやナタデココのようなアクセントになっている。

現在、「甘味処 よび田屋」はプレ・オープン中で、正式なオープンは4月初旬。豊川稲荷は商売繁盛のご利益があるといわれ、それにちなんだ「繁盛餅」なるきくらげ入りの看板メニューが発売される。

「実は、繁盛餅は最終的な味の調整をしていて、まだ完成していないんです。でも、伊勢の赤福餅のような唯一無二の名物にしたいと思っています。豊川を含めた東三河エリアは農業がとても盛んな地域ですが、豊川といえばきくらげといわれるような特産品にするのが私の夢です」(喚田さん)

喚田さんのバイタリティーと行動力、そして、けっぴーのアシストがあれば、子どもたちと約束した「きくらげで日本一になる!」という夢も決して雲をつかむような話ではない。筆者も同じ愛知県民として今後も応援していこうと思う。

永谷 正樹:フードライター、フォトグラファー

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