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東京に「フォーミュラE」は本当に必要なのか? 「おもしろかった」で終わらせない議論を

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 11時20分

その理由について、F1と比べた際の観客数やテレビ視聴率の低さ、派生する事業などに対するコストパフォーマンスの悪さなど、マーケティング戦略に対する懸念を示している。

また、BEVという観点での不安もある。フォーミュラEが誕生した2014年から2020年代前半は、グローバルでBEVシフトが急激に進み、フォーミュラEはまさに「BEV市場拡大の象徴」であった。

それが、直近ではBEVなど環境関連ビジネスに対する投資(ESG投資)バブルに陰りが見え始めたことや、BEVシフトに積極的だった中国経済の減速、そしてアーリーアダプターと呼ばれる初期需要が欧米で一巡したことなどにより、グローバルでBEV市場が「踊り場にある」と投資家やメディアが表現するようになっている。

フォーミュラE運営企業も、持続的な成長に向けて「今が正念場」であることは間違いない。

室内でゆったり観戦できる心地良さ

今回の東京E-Prixは、開催初日の3月29日、午前7時半に現場入り。午前中は横なぐりの雨が振る中、最終準備が進む各チームの様子を視察した。

そして、コースの各所を実際に足を運んで確認。1周2.582kmと、鈴鹿サーキットの半分以下の短さだが、コーナーは18あるテクニカルなレイアウトだ。

メインストレートは、東京ビッグサイト東館に隣接する駐車場で、そこから「ゆりかもめ」が上空を通過する一般公道に出て戻って来る。

途中、路面のギャップが大きくマシン全体が完全にジャンプしてしたり、公道と駐車場の境にある段差で大きくマシンが跳ねたりと、チームやドライバーからは「かなりバンピー(路面が粗く跳ねる)」という声があがった。

それでも、各チームは主催者から事前に得たコースに関するデータから作成した、デジタルツイン(デジタル再現)によって十分なシミュレーションを行っており、開催初日と翌日の予選・決勝まででプラクティスは合計1時間ほどしかなかったものの、的確にマシンセッティングを進めることができていたようだ。

観戦スタンドは東京ビッグサイト東館の隣接駐車場サイドに集中しており、コース全体を見わたすことができないのは、市街地コースなので致し方ない。観客は、会場内のモニターでレースの動向を探る。

一方で、東京ビッグサイト東館の中で食事をしながら、大画面でレースを楽しめるメリットもある。鈴鹿サーキットや富士スピードウェイといった大規模サーキットでも、観客がゆったり過ごせる大きな室内空間はほとんどない。

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