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若くても「脳ドック」"受けたほうがいい人"の特徴 「どんな病気がわかる?」「費用は?」医師が解説

東洋経済オンライン / 2024年4月7日 11時0分

脳梗塞のリスクを見るには、頭部MRI、頭部MRAのほか、頸動脈エコー(超音波)や血液検査、心電図などが必要だ。これはスタンダードな脳ドックのメニューで、日本脳ドック学会が推奨している内容になっている。

頸動脈エコーは、首にある頸動脈を超音波で測定する検査だ。頸動脈が狭くなっていたら動脈硬化が進行しているサイン。脳梗塞のリスクが高いといえる。血液検査では、血糖値やコレステロールなどの値を調べ、生活習慣病の兆候があるかどうかチェックする。

金中医師によると、実際によく見つかるのは、脳梗塞の前兆ともいえる「無症候性脳梗塞」だ。主に5mm以下の細い血管にできる脳梗塞で、その名の通り症状はなく、「隠れ脳梗塞」とも呼ばれている。

「無症候性脳梗塞は脳の組織に明らかな影響が生じないため、症状が表れません。ただし、放っておくと太い血管が詰まり、本格的な脳梗塞になる可能性がある。また、小さな脳梗塞が多発することで、血管性の認知症になる場合もあります」(金中医師)

無症候性脳梗塞が見つかる人は、高血圧や糖尿病、脂質異常症があることがほとんど。このため、再検査で診断がついたら食事や運動、禁煙も含めた生活指導が必要になる。

50代は「海馬の状態」もチェック

50代に入ると、物忘れが徐々に増え、認知症が気になる年頃だ。そのときは、前出のスタンダードな脳ドックに、「VSRAD(ブイエスラド)」を加えるとよいそうだ。

「VSRADは撮影した頭部MRI画像を使って、記憶をつかさどる海馬の萎縮度を測定する画像診断システムです。最近は多くの脳ドックで取り入れられています。海馬の体積は非常に小さいため、従来の脳ドックで見落とされていたものも、VSRADでは確認できます」(金中医師)

VSRADはオプションで用意している施設が多く、費用は3000~3500円が相場だ。

海馬の萎縮は、アルツハイマー型認知症に特徴的に表れる。

「認知症は早期に見つかるほど、進行を遅らせることができます。アルツハイマー型認知症の新薬レカネマブも、早期の患者さん向けの薬です。脳ドックでVSRADを受ける人が増えれば、救われる患者さんが増えますし、介護問題の解消にも役立つと思います」(金中医師)

脳ドックでは紹介してきた病気以外にも、脳腫瘍や微小な脳出血を見つけることができる。検査は痛みなどを伴わず、放射線による被曝もない。

脳ドックの指針を定めている日本脳ドック学会のホームページでは、全国の認定施設を紹介しているので、気になる人はチェックしてほしい。

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