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丸亀製麺のトリドール「ラーメン」で中国に再挑戦 実はうどんの"捲土重来"もあきらめていない

東洋経済オンライン / 2024年4月8日 12時0分

丸亀製麺は2011年に海外初店舗としてハワイに出店し、成功を収めた。余勢を駆って翌年、タイ、中国と進出したが、「経験値が足りていない中で頑張ったものの、中国市場の大きさを考えれば物足りず、成長の限界を迎えていたのも事実」(杉山氏)と、思うように拡大できなかった。

2010年代後半は、中国人消費者の嗜好が多様化し、現地を知る中国企業が急激に成長していたため、海外の超大手チェーンも苦戦が目立っていた。

アメリカ・マクドナルドと、ケンタッキーフライドチキン(KFC)などを展開するアメリカのヤム・ブランズの2社は、2016年から2017年にかけて業績が低迷する中国事業を切り離し、現地企業に売却している。

ラーメンで再挑戦を持ちかける

「フランチャイズのノウハウをしっかり持っている相手と組んで仕切り直そう」と中国市場から丸亀製麺を撤退したトリドールは、中国の投資企業「上海睿筧創業投資管理有限公司」と新たにタッグを組んだ。

上海睿筧を率いる羅得軍氏は、2017年にマクドナルドの中国事業を買収した中国中信集団(CITIC)の元幹部で、同ブランドの立て直しとフランチャイズ展開に手腕を発揮した。

上海睿筧は「先行プレイヤーが市場を育てており消費者の受容度が高く、大都市の1、2級都市で高速で規模拡大できる」業態として、トリドールの20ブランドの中から、2017年にトリドールグループ入りし、日本で約90店舗を展開する姫路の豚骨ラーメン「ずんどう屋」で再度中国市場に挑戦することを提案した。

たしかに豚骨ラーメンのグローバルでの人気は高く、日本でも人気ラーメン店には外国人旅行客の長い列ができている。

「一風堂」のアメリカの店舗がラーメン一杯約3000円という値段にもかかわらず盛況なのはたびたび報じられているし、中国・上海にも「金色不如帰」や「麺や庄の」など日本の著名ラーメン店が複数進出し、人気を集めている。

ただ、中国の外食産業は競争が非常に激しく、客だけでなく好立地のテナントや人材も奪い合いとなっており、日式ラーメンも数店舗までは出店できてもそれ以上は容易ではない。

パイオニアの味千は2011年に「1000店舗計画」を掲げたが、「新鮮さが失われた」「競合の増加」などを背景に2019年の約800店舗で頭打ちし、2023年末の店舗数は558店まで減った。

杉山氏によると、レッドオーシャンを勝ち抜くためにずんどう屋は上海1号店でラーメン1杯の価格を36元(約750円)に設定した。

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