AIとアルゴリズムでは及ばない"投資"で勝つ秘訣 投資に関してAIは人間の認知能力に追いついてない
東洋経済オンライン / 2024年4月9日 15時0分
宇根:僕は正直儲けられる才能があったわけでもないのですが、それでも2000年代の前半、デリバティブで勝負して一定の成果をあげられたかなと自分でも少し思えるのは、日本市場でちゃんと見てる人がいなかったっていうことに由来することが大きいんですよね。
デリバティブには理論があって、ジョン・ハルというトロント大学ロットマン経営大学院の教授が書いた『フィナンシャルエンジニアリング』という教科書があるんですけども、みんな読んでいて、その本に基づいて市場でも価格付けが行われていたんです。
しかし、ある時、私はその教科書に間違いを見つけたんです。しかも、その間違えている理論に基づいて市場で価格形成がされていたのですが、たまたまマーケットが気づく前にいち早く気づけて、取引に応用し、利益を上げられた、という成功体験は一つあったなとは思います。
後藤:宇根さんの見つけた「間違い」とは、わかりやすくいうとどういうようなものなんですか?
宇根:デリバティブには、「店頭デリバティブ」と「上場デリバティブ」という風に、大きく分けて2種類あるんですけど、これらは本来、価値が少し違うものなのに、世の中では同じ値段で取引されていたことに違和感を持ったのがきっかけでした。
後藤:本来ならどう考えても100円が妥当なのに、なぜか102円ぐらいでミスプライスされていたらそれを売るとか、逆に安ければ買うってことですよね。
最終的に宇根さんが見つけた理論によって、「本来こうなるはずだ」という価格にいずれ寄っていくのでしょうか。
宇根:そうですね。理論を突き詰めていくと誤りを見つけられて、割高な金融商品を売却して割安な金融商品を買うことで収益機会につながることがあります。過去を振り返ると必ずしも収益を上げるのが得意だったわけではない私が、それを見つけられたのはラッキーだったのかもしれません。
後藤:現在、投資の世界でもAIと言いますか、「アルゴリズム投資」が広まっています。宇根さんはこのように機械を相手にしなければならない市場の中で、どのように独自色を打ち出しているのでしょうか。
宇根:普段、我々が主に取り扱っているのは中小型株です。日本には4000社ほど上場企業があって、証券会社のリポートは主要なだいたい2割3割程度しかカバーされてないんですよね。
後藤:全体から見て、800社程度しかちゃんと見られていないということですか。
事業会社との面談を重視
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