中学受験「周りがするから」で"参戦"のリスク 成績で一喜一憂、子どもの自己肯定感に影響も
東洋経済オンライン / 2024年4月9日 17時0分
新学年が始まり、中学受験を来春に控えた小学6年生にとっては、いよいよ勝負の1年となりました。近年は首都圏を中心に、中学受験への注目が高まっています。
首都圏模試センターの推定によると、2024年の首都圏における中学入試(私立・国立)は過去2番目に多い受験者数で、受験率は18.12%と過去最高でした。公立中高一貫校の受験者数も含めると、首都圏の小学生のおよそ4.7人に1人が中学受験(受検)をしていることになります。
このような中学受験熱の高まりに比例して、新たな問題が起こっています。
「周りがするから受験」のリスク
もともと中学受験は一部の子どもたちが自ら望んで挑戦していたり、ご家庭の教育方針で選択したりしていたものでした。願い通りの合格が得られなかったとしても、それはあくまで、子どもも親も納得して競争の場に向かったうえでの結果だったと思います。
しかし、中学受験熱の高まりに伴い、「周りがするから」という理由だけで子どもに受験させる家庭が増えてきました。中には子どもも親もよくわからないまま、否応なしに中学受験という競争の場に巻き込まれてしまうケースも多いわけです。
しかし、受け入れ側の中学で定員は増えていません。受験者数だけが増加しているのですから、ますます熾烈な争いになります。
その結果、望み通りの学校へ合格できないばかりか、受験校“全落ち”という厳しい結果に直面する家庭も決して少なくありません。
実際、2024年入試では「花びらが散るバラ」の絵文字(不合格を表す)がいくつも並ぶ、保護者によるSNSの投稿が目立ちました。
中学受験塾では定期的に実施されるテストに応じた「クラス分け」が存在します。
大抵の場合、上位のクラスは選りすぐりの講師が担当します。なぜなら、その子どもたちは最難関と呼ばれる、高偏差値帯の学校に合格し、塾の進学実績を上げてくれる確率が高いから。上位層に対してはフォローが手厚いのです。
反面、下位クラスは相対的に見て、上位クラスの子どもよりはフォローが薄くなってしまう傾向にあります。
下位クラスの子どもが成績面で伸び悩むとき、適切なフォローがなされるといいのですが、そうでない場合は上位クラスへなかなか上がれない「負のスパイラル」に陥ってしまう可能性が高いのです。
この記事に関連するニュース
-
「桜蔭から2浪東大」彼女が"多浪"を決意した理由 桜蔭での生活、浪人時代に出会った運命の授業
東洋経済オンライン / 2024年7月7日 8時30分
-
リアル中学受験 悔しがってたのは親だけ 親の受験リベンジ背負って戦った息子、大人になった彼が思うことは… リアル中学受験-わが家の場合
産経ニュース / 2024年7月5日 13時0分
-
4浪立命館「漆職人」彼の"後悔し続けた"浪人生活 一方で「無駄ではなかった」とも語る彼のいま
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 8時0分
-
リアル中学受験 これは教育虐待なのか、小学生に午前0時すぎまで勉強させて…それでも不合格 リアル中学受験-わが家の場合
産経ニュース / 2024年6月28日 13時0分
-
中学受験の難化で高い壁も。共働き家庭が、泥沼の受験にしないために知っておきたいこと
オールアバウト / 2024年6月26日 17時30分
ランキング
-
1FRBの利下げ開始「9月」の見方強まる…6月の米雇用統計、人手不足の緩和傾向で
読売新聞 / 2024年7月6日 22時30分
-
2サクランボ王国・山形県に異変 6月の暑さで収穫減、対策急務
共同通信 / 2024年7月6日 16時15分
-
3日本の中古車相場が「ロシア」の影響で下落!? 厳しい「輸出規制」のなかで「売れている」クルマも? 意外な“ロシア行き日本車”とは
くるまのニュース / 2024年7月6日 12時10分
-
4ラーメン業界の革命児「一蘭」幹部に聞く 最高益をたたき出した「3つの要因」
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月6日 11時25分
-
5ミニストップ“大量閉店”でもスイーツ人気は底なし!? 「ソフトクリーム」や「ハロハロ」がいつの間にか遂げた進化
集英社オンライン / 2024年7月6日 19時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)