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10年後「生き残る仕事」「なくなる仕事」の境界線 今後においてもAIにできないことは何か?

東洋経済オンライン / 2024年4月12日 16時0分

同じことがオフィスでデスクワークを中心とする仕事をする人、いわゆるホワイトカラーの現場でも続出すると思われます。そのなかには、社会的地位が高いと言われてきた医師や弁護士なども含まれます。

AIはなにができて、どんなことができないのか

そんな近い将来において、人は何をすればいいのでしょうか?

この問いは、「」という話と同じです。

答えを述べれば、AIにはクリエイティブなことができません。より正確に言えば、意思をもって何をクリエイティブすべきかを決めることができません。

膨大なデータを学習したAIは、ある指標のあとにどんな指標が続くのかを解くことに関しては、人間の能力を凌駕します。

文章で言えば、ある言葉のあとに続くべき言葉をピックアップし、さらに前後の関係や結論と合わせて、何をどうすればいいのか、膨大なパラメータを調整しながら最適化していくことが可能です。

しかし、AIに原稿用紙を渡し、「あなたの言いたいことを書いて」と依頼しても、何も返せないでしょう。AIを搭載した絵描きロボットに白いキャンバスを渡し、「君の好きなものを何か描いて」と指示しても、やはり何も描けません。

いっぽうで、「筋肉質の男性が嵐のなかで敵をやっつけている場面を描いて」などと具体的に指示していけば、かなり要求に近いものを出してくるでしょう。

いずれにしても、AI自体に書きたい、描きたいという欲求はなく、過去に学習したもののなかから「それっぽいもの」を持ってきてつなげることに長けているだけなのです。

もっとも、AIにも創造に近いことができるようになる可能性も十分にあります。

なぜなら、人間が作る創造物においても、たとえばある作家が、あるストーリーと別のストーリーを組み合わせ、さらに別のストーリーの要素を加えて「いいとこ取り」した作品に対して、新しい作風として称賛が与えられることがあるからです。

こうしたものまで創造と呼ぶのであれば、おそらくそれはAIにも可能なのだと思います。

「属人化こそ勝ち組」の時代が到来

では、どんな人であれば職を失いにくいといえるのでしょうか。

キーワードは「属人化」です。

「その人」だから価値があると感じているものは、AIには入り込めない領域なのです。

属人化している仕事は、思った以上にたくさんあります。アスリートやYouTuberなどの配信者はわかりやすい例ですが、そのほかでも理由はわからないけれどとてもおいしいチャーハンを作る町中華や、そこで腕を振るう親父さんの代わりは、AIにはできないでしょう。

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