尾上右近「カレー」と「歌舞伎」をつなぐ仕事観 年間360食「無類のカレー好き」で独自の存在感
東洋経済オンライン / 2024年4月13日 11時0分
「舞台の前に、カレー屋を3店舗まわるロケがあったんです。『後がありますから一口ずつでいいです』と言われましたけど、せっかくだし、全部完食しました。そのときは運動量の多い舞台だったので、たくさん食べて、たくさん動いて、むしろ健康でしかいない」と、どこまでも前向きだ。
「僕の場合は、カレーを通じて自分を知ってほしいというのもある。歌舞伎は敷居が高い、観るきっかけがないとよく聞きますが、観劇するきっかけは何でもありだと思うんです」
マルチな活躍を見るにつけ、どれだけストイックなんだろうと思ってしまうが、「寝る時間を削ったり、ボーッとする時間がないのは耐えられない。平均8時間は寝てますし。
時間には限りがあるから、短縮できるところは短縮して、ボーッとできる時間も確保したいというのが根底にはある」という。
「僕の仕事は、感情を使う仕事。舞台表現をずっと考えて、ずっと稽古をしていても、寝不足になったり、ニュートラルではない状態になってしまって、うまく表現できなければ、結局本末転倒になってしまう。
自分の感情やコンディションがニュートラルな状態ではじめて、表現のときに必要な余力が生まれる」
そのためには、芝居に直結していない、一見無駄に見える時間も必要不可欠なのだ。
「同じ歌舞伎俳優さんでも、素顔に近いような感じで演技したい人もいれば、完全に自分を消し去って作り込みたい人もいる。
例えば、女形でも、日常の人間らしさみたいなものをそのまま持ち込む人もいるし、”女形”という別の生き物に完全に変身する人もいる。アプローチの仕方は人それぞれ。
だから取り繕ったところで、僕はやっぱり”こぼれてしまう”タイプだと思う。『さっきカレー食べたんだろうな』って見えてしまうし、それでいいと思っています。
でも、これだけは絶対ミスできないぞというときの緊張感は、誰にも負けないというのはほしい。めちゃくちゃ緊張感も持っているけど、同じくらい隙もある、みたいな」
「根を張りたくない。根無し草万歳」
後輩たちには「ケンケン」と愛称で呼ばれているという右近さんだが、「普段は『ケンケン、これどうしたらいいですか』って気軽に相談に来てくれるけど、出番の直前には『右近さん』とすら呼べない感じ」が理想だという。
「親近感と遠い存在、どちらも必要だと思うんです。あまり遠い存在になり過ぎても、絶対セリフを間違えられないし。絶対にミスできないなんて、嫌なんで。もうちょっと楽にやりたい。
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