「SEX AND THE CITY」が今さら批判され始めた訳 1998年放送の第1話でドナルド・トランプに言及
東洋経済オンライン / 2024年4月16日 13時0分
かつて大絶賛されたのに、時代の流れの中で評価が変わることがある。アカデミー賞に輝いた『風と共に去りぬ』(1939)は、奴隷が合法だった時代を懐かしむかのように描写していると批判されて一時アメリカで配信ラインナップから削除された。1994年から10年間、アメリカで抜群の視聴率を誇った『フレンズ』も、後になって「ニューヨークなのに白人だらけ」と批判された。
【写真を見る】『AND JUST LIKE THAT…』のワンシーン
「白すぎる」という批判は、1998年から6年間放映された『SEX AND THE CITY』に関しても、後々言われてきたこと。だが、今、このドラマに関しては、それ以外の問題点も数々指摘され始めている。なぜ、急に批判が集まることになったのか。それは、今月からNetflixでも配信が始まったからだ。
HBOが製作したこのドラマは、これまで、同じワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下のMaxが独占配信していた。しかし、利益を出すのに必死の配信各社は、最近、お宝のコンテンツであってもじっと抱えているのでなく、他社に提供してライセンス契約代を稼ぐのが得策と考えるようになってきた。
メーガン・マークルが出演した『SUITS/スーツ』も、昨年、NBCユニバーサル傘下のPeacockが、会員数の多いNetflixにも提供したおかげで、突然ブームになっている。ワーナーも『SEX AND THE CITY』に関して同じ決断をしたのだが、その結果、今の時代の感覚には合わない部分も注目されてしまったのである。
トランプは華やかなニューヨークの象徴だった?
たとえば、第1シーズンの第1話で、サマンサ(キム・キャトラル)は、後に主人公キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)の運命の人となるミスター・ビッグ(クリス・ノース)について、「彼は次のドナルド・トランプよ。もっと若くてもっとイケメンだけどね」と言う。
さらに、第2シーズンにはバーのシーンでトランプ本人がカメオ出演。このシーンで、パーカーは、「サマンサ、コスモポリタン、ドナルド・トランプ。これ以上にニューヨークな状況はないでしょう」とナレーションで語る。トランプが大統領選に出馬してアメリカを分断するなど想像もしなかった時代だったから起きたことなのだが、あるX(旧ツイッター)ユーザーは、「『SEX AND THE CITY』を見ていたら、いきなりトランプが出てきた。言われていた通り、僕らの世代にこのドラマは向いていない」と投稿している。
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