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入社してすぐ「モチベーション落とす」新人のナゼ 「褒める」ことよりも100倍大事な「存在承認」

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 6時50分

「君がやりたいことは何だ? 今後のキャリアについて話し合おう」

このように、キャリアの相談をされても心は動かない。日ごろから正しいマネジメントをされてもいないのに、時折部下の承認欲求を満たそうとしたり、やる気を上げようと動機付けばかり考えても心に響かないのだ。

夫婦仲を考えたら、わかりやすいか。

仕事で出張へ行く。飲み会で遅く帰る。週末は接待ゴルフ。なかなか家族の時間を確保することができない。そのため、誕生日やクリスマスのときだけ、「日ごろの罪滅ぼし」で高級レストランを予約したり、高価なプレゼントをしても、良い関係は続かない。

高級レストランに行ったり、海外旅行したり、プレゼントをもらったりしたら誰もが満足するだろう。しかし、そんなことよりも、

・今日は何時に帰るのか?
・夕食は要るのか、要らないのか?
・いつからいつまでどこへ出張に行くのか?
・子育ての相談に乗ってくれるか?
・ちょっとした愚痴を聞いてくれるか?

こういった日ごろの行いのほうが、はるかに重要なのだ。多くの場合、このような要望に応えたからといって、相手は満足しない。しかし、応えないと不満ばかりが溜まっていくことになる。

大事なことは「点数を上げる」ことではなく「点数を下げない」ことだ。上司と部下の関係だけでなく、夫婦仲も同じである。

存在承認を満たす効果的な方法

「動機付け要因」を意識していても、部下のモチベーションダウンを食い止めることはできない。では、どうしたらいいのか?

「日々の感謝」をすればいい。

過去と比較しての変化や、明確なお手柄がない限り「褒める」ことは難しい。そこで大事になってくるのは、

「ありがとう。すごく助かっているよ」

この一言が言えるかどうか。照れ臭いかもしれないが、「日々の感謝」を習慣化しよう。「褒める」よりも100倍大事なことだ。「日々の感謝」のことを、コーチング用語で「アクノリッジメント」と呼ぶ。存在承認と表現すれば、わかりやすいだろう。とはいえ、

「君のおかげで、助かっている。ありがとう」

と、毎日のように言える人は少ないだろう。照れ臭いから、言えても1週間に1回だ、という人も多い。しかし、誰だって毎日のようにできることがある。

それが、そこに部下が存在していることを認めることだ。これが存在承認である。やり方は、とても簡単。シンプルだ。名前を呼んで、挨拶するだけ。声をかけるだけでいい。

「田中さん、おはようございます」

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