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北海道から近畿まで「新規開通」の高速道路6本 区間は短くても利便性の高まる路線が続々開業

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 12時10分

2024年度は、現在のところ6本の高速道路で新規開通を迎える区間がある。そのうち、目立つのが名古屋市を大きく取り囲むように建設が進む東海環状自動車道で、三重県側で6.6km、岐阜県側で18.5kmの開通が予定されている。

三重県側は、大安IC~北勢IC(仮称)、岐阜県側は山県IC~大野神戸IC間となっており、この開通により、岐阜県側は名神高速道路と接続する養老JCT(ジャンクション)を越えて、養老ICまでつながる。

そのため、例えば白川郷、郡上方面から米原方面へ向かう場合、常時混雑している一宮JCT(東海北陸道と名神高速道路との交点)を通らずに済むなど、交通体系を変える効果が見込める。東海環状道の未開通区間は、養老IC~北勢IC(仮)だけになり、全線完成まであと一歩のところまで来たと言える。

道東道の阿寒IC~釧路西IC(17.0km)の開通も、効果が大きいと思われる。帯広方面からの高速道路が釧路西ICですでに開通している釧路外環状道路とつながり、釧路市中心部を経ずに厚岸、根室方面へと走行できるようになるからである。

2023年度にも島根県大田市内で延伸のあった山陰道は、出雲・湖陵道路と湖陵・多伎道路が連続して開通することで松江方面から大田市の西端の石見福光ICまで延び、細切れ開通の多かった山陰道の島根県東部区間がほぼつながったことになる。

この区間は何度も走行したことがあるが、現道(国道9号線)はカーブやアップダウンが多く、信号のない平坦な道を走れることは時間短縮だけでなくストレスの緩和という点でも効果があると思う。

北海道は道東道のほかに、後志(しりべし)道が余市ICから内陸に入り、仁木IC(仮称)まで開通、外国人観光客でにぎわう倶知安やニセコまで高速道路が近づくことになる。

近畿の重要路線「紀勢道」はさらに便利に

そのほか、北近畿豊岡道が但馬空港ICから豊岡出石ICまでわずか2kmではあるが、但馬地方の中心都市、兵庫県豊岡市に近づく。

さらに、同じ近畿では、紀勢道の新宮紀宝道路(新宮北IC~紀宝IC:ともに仮称、2.4km)が秋ごろをめどに完成予定。『JAF Mate』の表には掲載がないが、同じ紀勢道のすさみ串本道路(すさみ南IC~串本IC:仮称)も2025年春の開通とされている。

紀勢道もまだまだ細切れ開通なので、全通への歩みは遅いが、並行する一般道(国道42号線)のカーブや高低差は国道9号線以上にきびしいため、その役割は重要である。かつて、国鉄の紀勢本線(現JR紀勢線)も難所が多く、全通したのは1959年と、当時の国鉄の幹線の中でももっとも遅い部類であった。

最後の開通区間は、三重県の尾鷲市と熊野市の間であったが、高速道路も紀伊半島南東部が未開通区間となっている。観光資源が豊富なエリアで、名古屋方面からも大阪方面からも交通需要が多い場所だけに、紀勢道の全通が待たれると言えよう。

なお、残る大幹線の工事区間、新東名の新秦野IC~新御殿場ICと新名神の大津JCT~城陽JCT、八幡京田辺JCT~高槻JCTの開通は、まだ数年先の見込みである。また、新規開通ではないが、暫定2車線区間の4車線化の着手も各地で発表されており、せっかく高速道路がありながら渋滞や事故の多い区間の解消も少しずつ進んでいる。

佐滝 剛弘:城西国際大学教授

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