「ドジャースとの契約」に殺到した日本企業の本音 水原氏の問題が一服しても消えない「心配事」
東洋経済オンライン / 2024年4月16日 11時30分
3点目に関しては、ドジャースにスポンサードすることによって、その企業が手がける商品のブランドイメージが向上したり、メディアやネット上で話題になったりして知名度や好感度が上がる効果が期待できる。実際、ドジャースと契約した企業はメディアで繰り返し報道され露出している。
ブランディング効果は、可視化しづらいし、短期的に売り上げに直結するものではない。しかし、「(日本人選手が活躍する)ドジャースを応援する企業」としてのイメージが形成される効果は大きい。日本経済が好調かどうかはさておき、円安も後押しとなって収益が拡大する大手企業は多く、広告・宣伝への「先行投資」にも積極的になっている。
大谷選手とのスポンサー契約にリスクはもうない?
もちろん、日本企業はドジャースとではなく、大谷選手個人と契約をするという方法ある。元専属通訳の水原氏の違法賭博問題によって、一時期スポンサー離れが起きるのではないかという懸念もあった。しかし、本件は収束に向かっており、大谷選手は潔白である可能性が濃厚となってきている。
過去にも、イチロー氏、松井秀喜氏など、日本人メジャーリング選手には、多くの日本企業がスポンサーしてきた。彼らの活躍ぶりとそれに裏打ちされた人気はもちろん、スキャンダルがほとんどなく、人格も優れて、真摯に野球へと打ち込んでいるというイメージがあったからこそ、企業は安心してスポンサーになることができた。
もちろん、大谷選手も同じだったと言える。今回の件で大谷選手が完全に潔白であったとしても、トラブルに巻き込まれたという事実、スポンサー契約にリスクが存在しうることが顕在化したことは無視できない。
ひとつ事例を紹介したい。2022年12月、ナイキはNBAのスター選手カイリー・アービングとの数100万ドル規模のパートナーシップ契約の終了を発表した。アービングが反ユダヤ主義的な内容を含む映画へのリンクをSNSに投稿したが、当人が反ユダヤ主義者であることを明確に否定しなかったのが契約終了の理由だ。
大谷選手が今後このような行動を取ることは考えにくいが、だれかの行動を第三者が逐一監視して完全にコントロールすることができない以上、個人と高額の契約を交わすことはどうしてもリスクが大きくなってしまうことは理解しておくべきだろう。
今年の1月、大谷選手がプロスポーツ史上最高額でエンゼルスからドジャースへの移籍が決定した。それ自体は、非常にめでたいことなのだが、スポンサー契約している企業にとっては悩ましい部分もある。
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