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「ドジャースとの契約」に殺到した日本企業の本音 水原氏の問題が一服しても消えない「心配事」

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 11時30分

大谷選手と契約している三菱UFJ銀行、JAL(日本航空)のコーポレートカラーはエンゼルスのチームカラーと同じ赤である。しかし、移籍後のドジャースのチームカラーは青で、それぞれの競合企業である、みずほ銀行、ANAのコーポ―レートカラーと同じだ。

所属する球団チームカラーとコーポレートカラーが一致しないだけならまだしも、競合企業のコーポレートカラーに変わってしまうのは、悩ましいところだ。

今後、三菱UFJ銀行やJALの広告に、ドジャースのユニフォームをまとった大谷選手が登場することは、恐らくないと思われる。コーポレートカラーは、企業にとって思いのほか重要なもので、自社の広告費を使って競合企業のコーポレートカラーを消費者にアピールするようなことはあえてやりたくはないだろう。

JALとANAの「競合かぶり」問題とスポンサーメリット

この辺で、日系大手航空会社のJALが大谷選手と、ANAがドジャースと契約しているという、同業での「競合かぶり」の問題について触れておきたい。

本件は、過去の業界慣行を破っているケースとも言われることがあるが、実際はもう少し複雑だ。

松井秀喜氏が、ニューヨーク・ヤンキースに所属していた際に、松井秀喜氏はJALとスポンサーシップ契約をしていたが、ヤンキースの方はコンチネンタル航空(現ユナイテッド航空)と契約をしていた。

1人の選手が競合企業2社(あるいはそれ以上)と重複して契約することは依然としてタブーだが、選手と球団のそれぞれが競合企業と契約することは、これまでも問題はなかった……とまでは言わないまでも、許容されてきたと言える。

ただ、今回の場合は、同じ日系企業であり、路線の多くが競合していることを考えると、競合度はより強まっている。

大谷選手は今後どの飛行機に乗るのか?

松井選手が日米間の移動の際に、どちらの航空会社を利用するかが一時的に話題となったが、大谷選手においては日系企業同士であるだけにもっと話題となるだろう。

「大谷選手は他のことに煩わされず、野球に専念して欲しい」というのは、ファンに限らず、多くの日本人の願いであるとは思う。しかし、大谷選手とドジャースとスポンサー契約している企業にとっては、大谷選手の活躍に加えて、スポンサーとしてのメリットも気にせざるをえない。

ドジャースにとってだけでなく、スポンサー企業にとっても、現在の大谷選手はかけがえのない、替えがきかない存在だ。だからこそ契約金も吊り上がる。一方で、契約金に見合った“結果”が求められるのは、スポンサー企業にとっても同様である。

今後、大谷翔平選手らが活躍すると同時に、不祥事やスキャンダルに巻き込まれることなく、スポンサー企業の期待に応えられることを願っている。

西山 守: マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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