1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

ふかわりょうが"サイテー男"の小説に込めた思い 「B面があるからA面がある」その言葉の真意は

東洋経済オンライン / 2024年4月17日 12時20分

ラジオ番組にゲストで出るといっても、その場にいる人が誰なのかによってどう振る舞うかが変わってくる。

どちらかというと音楽セッションに近い。こういう楽器が並んでいるんだったら、こういう音色で行こうと。

どこに行っても一緒のキャラクターで通せる人っているじゃないですか。僕は逆で、割と自動で周囲に合わせて変化するタイプ」と自身を分析する。

時代とともに変わるもの

「かつて『芸人は不幸であれ』とテレビプロデューサーが言っていた。それが1つの尺度だとしたら、30年前の不幸と、今の不幸は違うんですよ。もしくは、おもしろい不幸とおもしろくない不幸がある。

昔笑えていたものが、今は笑えなくなる。

何がおもしろいかは時代とともに変わる。

僕は、服装こそいつも同じものばかり着ていますが、流行に敏感な女の子と同じように、そういうものに敏感になりがち。ある種、職業病に近いですね」

そんなふかわさんも、今年でテレビの世界に入って30年という節目の年を迎える。

「テレビの役割も30年前とは変わってきたし、僕自身も歳を重ねて、今後は文章表現のウエイトが高まっていく予感があります。

アウトプットの場所によって、濃淡、希釈の割合は変わってくるんですけど、今後は、文章表現や書籍という舞台で表現する熱量や思い、機会は増えていく気がしている。割と重心が移動してきている」

ギリギリの縁を歩くのが楽しい

最後に表現者としてのふかわさん自身が、今の世の中に息苦しさを感じていないのか聞いてみた。

「ざっくりいうと、楽しんでいますね。そのギリギリの縁を歩くのが楽しいというか、無法地帯が一番楽しくないと思っているので。

(俳句や短歌の)五七五とか、五七五七七とか、それなりの枠組みの中で自由を享受する。それを窮屈と捉えるか、広がりと捉えるかは人それぞれ。

今後はむしろ、新たな価値観が生まれるのではという期待のほうが大きいですね。

ただ、世の中には、コンプライアンスを盾にしておかしくなっていたり、全然それとは違う考えを振りかざしている人がいるので、それは邪魔だと思います」

新しい価値観が生まれる瞬間に、ふかわさんが何をみて、何を発信しているのか。まさに、その第一歩が今なのかもしれない。

ふかわりょう
1974(昭和49)年、神奈川県生まれ。
慶應義塾大学在学中の20歳でお笑い芸人としてデビュー。長髪に白いへア・ターバンを装着し、「小心者克服講座」でブレイク。後の「あるあるネタ」の礎となる。
以降、テレビ・ラジオほか、DJや執筆など、その活動は多岐にわたる。
2024年3月19日、初の書き下ろし小説『いいひと、辞めました』を発売。近著に『ひとりで生きると決めたんだ』『世の中と足並みがそろわない』(新潮社)、アイスランド旅行記『風とマシュマロの国』(幻戯書房)など。

吉田 理栄子:ライター/エディター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください