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「マッチングアプリ婚」を後押しする、陰の立役者 ペアーズの「質」は、どのように作り出されるか

東洋経済オンライン / 2024年4月17日 11時0分

利用者の声をペアーズが調べると、「相手が多すぎて選べない」「スペックや条件で選んだがミスマッチだった」「会ってみたらイメージと違った」という声が上がるという。

マッチングアプリは、単に誰か相手を見つけられることではなく、ぴったりな相手とのマッチング性能の向上に、ユーザーの期待が高まっているのだ。

消費者のAIレコメンドに対する期待の高まり

ペアーズでデータディレクターを務め、マチパ向上に努めているのが奥村純さん。

京都大学で博士号を取り、インターネット事業会社でAI開発に携わった後、2019年からペアーズを運営する株式会社エウレカに入社。2023年からデータディレクターとして、ペアーズのデータ戦略を統括する人物だ。

「ペアーズのAIは、国内の専任チームによって行われています。

親会社で世界規模でマッチングアプリを展開するMatch GroupのAI原則(真正性、公平性、説明可能性、説明責任、安全性、プライバシー、誠実性)に則り、お客様の『本質的な価値』に向き合う開発をしています」

AIマッチングはまだまだ事例が少ないのが実際で、研究開発の最中だという。またグローバルなMatch Groupのブランドやアプリ間での情報交換も盛んだという。

「これまでマッチングでは、自分の好みで選ぶ行動が重視されてきました。しかし昨今の消費行動やトレンドの変化を見ていくと、アルゴリズムの精度向上や、レコメンドの的確さにニーズが集まってきています。

TikTokやYouTubeのように、プラットフォームから提供されたものを取り入れる消費行動が増えており、だからこそ、レコメンドの的確さが重視されるのです」

どれだけ「いいね」をもらうか

AIによるレコメンデーションは、その人の好みがいかに的確に反映されているかが重要になっている。興味のないものをたくさん紹介されても、満足感が下がるだけになってしまう。

奥村さんは、特にマッチングアプリでは、シビアな反応が見いだせるという。

「ペアーズでは、長年の試行錯誤の経験から、マッチングの件数ではなく、『質』に注目する必要性があると発見しました。

マッチングは『いいね!』の送信から始まるので、シンプルに考えると、どれだけ『いいね』をもらうかによって、マッチングがしやすくなるかと考えると思います。

しかし『いいね』が多く集まったとしても、それが質の低いマッチングでは、『メッセージのやりとりが続かない』(=ケミストリーが一致しない)という如実な結果がもたらされます。

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