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伝説の投資家・本多静六が指南「積立投資の王道」 悲観的な想定でも、無理なく「億り人」になれる

東洋経済オンライン / 2024年4月18日 9時0分

ちなみに37年目に日経平均が元の4万円に戻ったら、資産額は9390万円で、積立総額3700万円(100万円×37年)の2.53倍です。

どうしてこういう魔法のようなことが起こるかと言うと、「資産額=株数×株価」で、株価が下がった時は株数を大きく増やせるからです。つまり、積立投資では、下がり続けない投資対象を選んで、とにかく買い続けることが大切です。

個別株の場合、かつての日本航空のように下がり続けて最終的にゼロになってしまうことがあります。ゼロになることはない日経平均(日本)・S&P500(アメリカ)・MSCI(世界)といった指数に連動する投資信託を買うと良いでしょう。

本多静六に学ぶ倹約・貯金と投資

積立投資の有効性が頭ではわかったものの、「薄給で、生活するのがやっと。毎月貯金して、それを積立投資に回すなんて無理」という方が多いかもしれません。また、「若いうちからシコシコ貯金しているようでは将来大成しないぞ。しっかりお金を使って色んな経験を積むべきだ」と力説する先輩がいたりします。

そういう人に知っていただきたいのが、本多静六(1866~1952)です。日本の元祖・億リーマンというべき本多の生き方や蓄財法は、現代の我々にとっても大いに参考になります。

本多は明治32年(1899)に日本初の林学博士になり、東京帝国大学教授、林学の専門家として活躍しました。日本の造園学の基礎を築いたことでも知られ、日比谷公園など全国各地の公園を設計し、「日本の公園の父」と呼ばれています。

本多は、裕福な農家に生まれましたが、9歳の時に父が急逝し、家計は困窮しました。苦学を経験した本多は、「経済の自立なくして自己の確立はない」「財産や金銭は、生きていく中で必要不可欠なものであり、それが安定しなければ、自分の信念を貫くことはできず、人は大成することはない」と考えました。

そして、経済の自立を実現するために、独自の倹約方法と貯蓄方法を実践しました。

本多が考案した倹約方法が「ツモリ貯金」。洋服や家具など欲しいものがあったら、それを買ったつもりになり、買ったものは一時的にお店に預けたと自分に言い聞かせたそうです。

本多が考案した貯蓄方法が「4分の1天引貯金」。毎月の給料の4分の1を貯金して積み立てていくことです。本多は、東京帝国大学の助教授となった直後から、こうした倹約と貯蓄を実践しました。

本多はその貯金で株や山林を買い、資産をさらに増やしました。投資の才能もあったようで、40歳のころには給料よりも株の配当金や貯金の利子のほうが多くなりました。巨万の富を築き、引退後はその大半を地元埼玉の育英事業に寄付し、苦学生を助けました。

40代・50代は手遅れか?

ここまで読んで、40代・50代の読者は、「ああ、自分も若い頃から積立投資をやっておけば良かった」とため息をついているかもしれません。40代・50代は、すでに手遅れでしょうか。

現在、日本人の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳です(厚生労働省「令和4年簡易生命表」)。90歳を迎える人の割合は男性25.5%、女性49.8%です。「人生100年」と言われる通り、いま40代・50代の人は普通にあと40~50年生きるわけです。

いま40歳の人が先ほどの条件で積立投資をしたら、悲観ケースで83歳、標準ケースで73歳、楽観ケースで67歳で億り人になれます。40代・50代でも「手遅れ」と決めつけず、積立投資を検討することをお勧めします。

日沖 健:経営コンサルタント

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