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1960年に誕生「証券コード」のあまりに奥深い歴史 JR九州のコードが9023にならなかったワケ

東洋経済オンライン / 2024年4月18日 9時20分

持ち株会社はこのとき新設されたので、そのまま3203を使うことはできない中、次番号は欠番になってから1年以上経過していたので使えたというわけだ。

ただ、証券コード協議会によれば、「コードの再利用をやめてほしいという意見が出たため、証券コード協議会としてはなるべく再利用は避けるという運用が定着した」という。

上場廃止になった会社の多くは、倒産もしくは上場廃止基準に抵触して退場を余儀なくされた会社だ。期待に胸を膨らませて新規に上場してくる会社にとって、そんな会社が使っていたコードを割り当てられたら、縁起でもないと思うのは当然のことだろう。

JR九州が9023にならなかったワケ

実は上場廃止銘柄が使っていた番号以外にも、不自然に飛んでいる番号が存在する。こんな現象が起きるのは、一度も上場をしたことがない会社でも、社債を公募で発行すると証券コードが割り当てられるからなのだ。

たとえば電力会社の場合、9501の東京電力HDから始まり、9509の北海道電力まで、きれいに電力9社の番号が連番になっているのに、沖縄電力だけはなぜか1番飛んで9511。

実は9510は住友共同電力という、一度も上場したことがない会社に割り当てられている。沖縄電力以外の9社は1950年代に上場しているが、沖縄電力の上場は1989年。その間に住友共同電力が公募で社債の発行をしたようなのだ。

JR九州が上場した際も、JR東日本が9020、JR西日本が9021、JR東海が9022、そして9023が欠番で9024が西武HDだったので、当然9023と思いきや、割り当てられたコードは9142だった。

なぜか。証券コード協議会によれば、過去に東京メトロが社債を公募した際に9023を割り当てていたからだという。したがって、今夏にも上場が実現すると言われる東京メトロの証券コードは、英文字使用のコードではなく9023になる。

枯渇する前に英文字使用を開始

21世紀に入るといよいよ事態は切迫、ついに数字4桁では早晩番号が枯渇するので、英文字を使おうということになった。それが2009年である。

英文字混合の4桁とすることについてはさまざまな議論があり、数字5桁案も浮上したが、誤入力の可能性や、証券会社のシステム対応のしやすさなどから、英文字混合4桁に落ち着いた。この方式で6万5000社分が確保できるそうで、計算上は200年くらいは枯渇しない。

英文字の組み入れ方法の具体策が翌年固まり、この時点では数字4桁が枯渇した時点で英文字混合に切り替える予定だった。

だが、証券会社としてはいつ切り替わるのか、正確な時期がわかっていないとシステムの切り替え計画が立てづらい。そこで、多少数字4桁の残数があっても、時期を決めて切り替えようということになり、2024年1月から切り替えることを決定したのが2022年5月だった。

2023年7月からは証券会社との接続テストを繰り返し、万全の準備のもと、晴れて今年1月から英文字混合のコード使用が始まった。ちなみに昨年12月末時点の数字4桁のコード残数は1156個だった。

伊藤 歩:金融ジャーナリスト

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