「ニュージーランドワイン」手がける日本人の挑戦 マーケや営業強化、幅広い層にアプローチ
東洋経済オンライン / 2024年4月25日 13時30分
日本におけるワイン消費量は、10年前と比較すると約128%伸びている。
赤ワインや、白ワイン、ロゼワインなどの非発泡性ワイン(スティルワイン)のなかでも、日本人に人気なのが、フランス産ワインだ。国別で見ると、輸入量ランキングで1位に輝く。次点はチリ、3位はイタリアと続く。
注目が集まり始めているニュージーランドワイン
欧州産ワインが輸入量全体の6割を占める中、ここにきてじわりと伸びているのがニュージーランド産のワインだ。2022年の輸入量は前年比112.3%も伸びている。なぜ人気を集めているのか、その理由を探ってみよう。
ニュージーランドワインの歴史はまだ浅く、1836年にイギリスからの移民であるジェームズ・バズビーが初めてニュージーランドワインを醸造したことに始まる。1980年代には、マールポロ地区で造られたソーヴィニヨン・ブランが、国際的なワイン・コンペティションで最優秀賞を受賞したことで、世界中から注目されるようになった。
南北に長い島国であるニュージーランドは、それぞれの土地で個性的なワインが造られている。スクリューキャップを導入したり、先進的な醸造技術を研究したりと、チャレンジ精神が旺盛で、上質でエレガントな味わいはさまざまな料理とも相性が合う。
そんなニュージーランドには、高級ワインを生産する日本人オーナーのワイナリーが存在する。
それは、エイブル&パートナーズ代表の佐藤茂氏が手がけるシャトー・ワイマラマだ。「ワイマラマ」はニュージーランド先住民マオリ族の言葉で「水面に映る月明かり」を意味する。
佐藤氏はもともとワインが好きで、ボルドースタイルのワインを造りたいと考えていた。ニュージーランドにも興味をもっており、現地で収穫されるブドウが素晴らしいことから、ニュージーランドでワイン造りを始めたのだ。
葡萄畑はわずか4.5ヘクタールという大きさで、剪定や間引き、収穫に至るまですべて手作業で行っているのが特徴だ。
シャトー・ワイマラマが始動したのは1998年で、2023年11月には25周年を迎えた。日本では、高級ステーキの「ウルフギャングステーキ・ハウス」各店舗、西麻布「とり料理屋」、乃木坂の人気中華店「結」、銀座「TANAGOKORO THE BAR」などに提供している。
シャトー・ワイマラマは、「KIRARAKA(キララカ)」(1万8700円)、「MINAGIWA(ミナギワ)」(1万6500円)、「EMIGAO(エミガオ)」(1万8700円)が主力だ。最上級の「SSS」(5万5000円)や、ロゼの「vin rosé」(6380円)も販売している。
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