加速する事務機再編"三つどもえ"の最終戦争 儲かる斜陽事業「温存」に向けた連携拡大は必至
東洋経済オンライン / 2024年4月25日 7時40分
「コニカミノルタ以外でも、組んだ方がメリットがあるなら(提携を)やりたい。それが自社のためにも業界のためにもなると考えている」
4月15日、複合機大手のコニカミノルタと富士フイルムビジネスイノベーション(BI)が業務提携に向けた協議を開始したと発表した。複合機や商業・産業印刷機の原材料・部材調達、トナー開発で連携し、供給体制の強化などを目指す。
4月17日に開催された富士フイルムホールディングスの中期経営計画説明会に登壇した富士フイルムBIの浜直樹社長は、提携の在り方を問う記者質問に対し、冒頭のコメントで答えた。
今回の両社の動きは、リコーと東芝テックが2023年5月に発表した、製造機能を担う合弁企業の設立に続くものといえる。名門が居並ぶ複合機業界で業界再編が進んでいる。しかし今はまだ序章に過ぎない。
複合機は日本のお家芸
事務機は日系メーカーが世界シェアの大部分を占める製品だ。光学、化学、機械工学などの知見を要する機械で、高度なすり合わせ技術が求められるため参入障壁が高いといわれる。A3カラー複合機では、キヤノン、リコー、富士フイルムBI、コニカミノルタを上位に日系メーカーがシェアの8割を占める。まさに日本の“お家芸”なのだ。
リコーと東芝テックは複合機の製造機能を共有し、基幹部品となるエンジンを共通化することを決めた。複合機製造を担う合弁会社「ETRIA(エトリア)」は2024年7月の設立予定。出資比率はリコー85%、東芝テック15%でリコーの連結対象になる。スケールメリットによるコスト削減と、競争力のあるエンジン開発が合弁会社の狙いだ。
リコーと東芝テックは合弁設立を発表した当初から、合弁への他社の参加やエンジンの他社への供給を歓迎する姿勢を見せていたが、現時点で参加企業は現れていない。
今回の富士フイルムBIとコニカミノルタの業務提携では、調達力強化やコストダウンを見込む。富士フイルムBIが株式の過半を保有する前提で、2024年7~9月をメドに合弁会社設立を予定する。
コニカミノルタと富士フイルムBI連合は、リコー・東芝テック連合への対抗を意図したものではないとする。しかし両陣営とも門戸を開く姿勢で、合従連衡を促している状況だ。
3社陣営でシェア6割超を占める
今後の市場はどうなるのか。IDCのデータを基にした、2023年のA3複合機のシェアは下図の通り。
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