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東大生厳選「GW前に読みたい」読解力高める3冊 ちゃんと読んでも理解できない悩みを解決する

東洋経済オンライン / 2024年4月25日 11時30分

この本の面白い部分は、古文や漢文の文章も合わせて、国語の授業で扱う文章には7つの型がある、と説明しているところにあります。この7つの型で、すべての文章が説明できるというのです。

①  同格型

最初にテーマを述べて、その後にそのテーマと同じことを繰り返す型。

例:「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」と始まる『平家物語』。

②  質問型 

最初に質問を投げかけて、その後にその答えとなる内容を語っていく型。

例:四季折々、いつの時間がいいのか、という質問に対する答えを書いている『枕草子』。

③  対比型

正反対なのに似ている性質があるものを2つ述べて、その2つの違いについて語っていく型。

例:「意地悪なおじいさん」と「優しいおじいさん」が出てくるような昔話。

④ 変化型

1つの物事が、結果的に形を変えていく文章の型。

例:新しい製品を発表するときに、昔の製品からどう変わったのかを説明している、など。

⑤  ギャップ型

1つの物事が、大きく変化し、その変化のギャップにフォーカスした文章の型。

例:シンデレラのようなサクセスストーリーなど。

⑥  葛藤型

2つの物事の間で揺れ動き、どちらを選べばいいか、結論が出ない文章の型。

例:天皇である父の妻である藤壺を愛してしまった主人公・光源氏が出てくる『源氏物語』。愛してはいけないのに愛してしまう、という葛藤が描かれている。

⑦  説話型

結論が語られておらず、読者が自分でその結論を考えなければならない文章の型。

例:「下人の行方は、誰も知らない」と余韻が残る『羅生門』など。

物語であれ、説明的な文章であれ、この7つの型のどれかの要素を含んでいる、というのです。確かに、どんな文章でもこの型のどれかに当てはまっています。

東大で出題されるような難しい文章でも、ちょっとした小説でも、古文の文章でも、漢文の文章でも、もっと言えば外国語の文章であっても、全部同じ型なのだというのがこの本で書かれている主張です。

読み方を身に付けて読書を楽しむ

今回の記事でも、「どうすれば読解力をアップさせることができるのでしょうか?」とまず述べたうえで、その答えが書かれています。先程のポイントの中だと、「質問型」ですね。

このように、文章の型を理解すれば、どんな結論に持っていきたいのか、ということがわかりやすくなり、読解力が身に付く、というわけです。今まで読んだ文章も含めて、文章を「型」で理解することができるようになるという点で、この本は読解力アップのための手段として有効なものだと感じます。

いかがでしょうか? どんな本を読んでも、「読み方」が悪いと、効果は半減してしまいます。ぜひ、読解力というテーマとうまく向き合っていただければと思います。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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