日経平均にはあまりこだわりすぎないほうがいい 日本株の上昇は、むしろこれから本番を迎える
東洋経済オンライン / 2024年4月26日 10時30分
実は、現状の日経平均採用銘柄で、1989年12月末時点の株価と単純比較できる銘柄は164銘柄ある。225銘柄中、約73%に相当する。
この164銘柄で、現在の換算係数、除数で調整をほどこしたうえで便宜上「日経164」を算出して遡及してみると、1989年末時点では1万0058円だったことになる。
その後下落して、1992年7月には安値4596円と1989年末の半値弱の水準まで落ち込んだ。だがその後は切り返し、何度か安値水準に接近したものの、一度も割り込むことなく1999年12月には1万0543円となって、最高値を更新している。
さらに、日経164はその後2007年6月に1万2715円の高値をつけた後、リーマンショック後の2009年2月には4972円まで下落した。だがやはり1992年の安値を割り込むことなく、上昇に転じた。そして2023年5月に2万円台に乗せ、日経平均が最高値を更新した2月22日には2万6000円を突破した。つまり比較できる164銘柄で計算すると、実質約2.6倍となっているわけだ。
逆に言えば、現状の株価と比較できない銘柄が61銘柄あり、これらが影響したのかもしれない。だがこのように日経164に限定すると、バブル崩壊後約10年で高値を更新していたということになる。また2013年のアベノミクス以降に限れば、米国株ほどではないものの、十分な上昇トレンドが継続している。
報道では「約34年ぶりの史上最高値更新」「4万円台到達」などと言って、時代の区切りのように喧伝しているが、1989年の水準など、とっくに更新していたのである。
1989年のトヨタのPERは25倍だった!
さて、日経平均が3万8915円をつけた1989年末当時、現在も存続している銘柄のなかで、バリュエーション(株価指標で見た企業評価価値)を見てみよう。
まず低PER(株価収益率、実績ベース)から見ると、最も低いのは富士フイルム(4901)の24.1倍、次はトヨタ自動車(7203)の25.2倍、その次はホンダ(7267)の32.3倍だった。また、PBRではトヨタの2.44倍、富士フイルムの2.44倍、リコー(7752)の2.67倍の順に低かった。
一方、予想利回りでは、最も高いのは関西電力(9503)の0.996%、次は日産自動車(7201)の0.952%、その次は三菱電機(6503)の0.909%だった。このように、1989年時のPERは最低で20倍台半ば、PBRも最低でも2倍超、さらに利回りは高くても1%未満(ちなみに1%超は東燃の1銘柄)という状況であった。
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