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歌舞伎町「夜パフェ専門店」が繁盛する納得の理由 恋人2人が経営する店に見える「やさしい多様性」

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 12時0分

和志さんと玄太さんは2016年にイベントで出会い、すぐに恋人同士になり、同棲を始めた。カップルダンサーとして歌舞伎町を中心に活動しつつ、将来を見据えたときに、「終電を逃した後でも、みんなが集まって笑顔になれる場所をこの街につくりたい」と考えるように。パティシエという和志さんのキャリアを活かせて、当時の歌舞伎町にまだない、けれど流行しつつあった夜パフェ専門店を開くことを決めた。

2019年4月にクラウドファンディングを実施すると、目標の200万円を上回る237万円超が集まった。資金調達だけでなく宣伝効果にもなったそうで、2019年6月のオープン後は予想以上に人が訪れ、多忙のあまりうれしい悲鳴を上げる日々だったという。

飲食店は一般的に、1階の路面店のほうが集客面で有利とされる。ロイトシロがあるのはビルの3階で、かつ、立地は歌舞伎町のなかでもかなりディープなエリアに位置している。だがその場所にしたのは、「酔っ払いがふらっと入ってきても困るし、行きづらいくらいの場所がよかった」と、あえての選択だったことを二人は明かす。

そのように来店ハードルを上げても、ロイトシロはたちまち繁盛店となったのだ。店内には、常連客から贈られたという2人の似顔絵が飾られているなど、ただ人気があるだけでなく、愛されていることも伺える。

和志「歌舞伎町だけど治安はいいよね。お客さんに迷惑がかからないよう、酔っぱらっている人はお帰りいただいていますし」

玄太「たまに男性客が女の子に近づこうとすると、『話しかけるんだったらお酒でもおごったら?』って、やんわりと間に入ったりしますね」

和志「女性客が多いので、緊張するっていう男性も多いですけど、おじさんが一人でいらっしゃったりもしますよ」

玄太「若い女の子が自分のことを気にしてるって思っちゃダメです。おじさんは匂いだけ気にしておけば大丈夫(笑)」

軽妙な掛け合いで、和志さんと玄太さんはお店について説明する。だが、今でこそ順調だが、開店から1年も経たないうちに、新型コロナという未曽有の事態に直面した。「こんなにも簡単にお客さんっていなくなるんだな、って」と、二人は当時の心境を明かす。

コロナでも閉店は一切考えなかった

時短営業やお酒の提供自粛の要請、激減する客数や売り上げ、先が見えない不安、申請してもなかなか振り込まれない助成金など、マイナス材料ばかり積み重なっていったが、お店を閉業するという考えはまったくなかった。

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