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目指すなら今?行政書士「外国人支援」の深い魅力 外国人コミュニティーの「縁の下の力持ち」に密着

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 11時40分

そうなると仕事の枠を超えて、生活や就職や人間関係や、あれやこれやの相談に乗ることもしばしばで、むしろ「そういう時間のほうが多いかも」と笑う恩田さんだが、ゆえに「リトル・インディア」で信頼される存在になった。

外国人経営者にとって大事なビジネスパートナー

そんな恩田さんを、西葛西のインド食材店「スワガット・インディアンバザール」の店主ビネス・プラサードさんは、「ホームロイヤーだよ!」と絶賛する。ホームドクターならぬ「家庭の法律家」というわけだ。

行政書士とは外国人ファミリーの人生の伴走者のようだと実感する言葉だが、ビネスさんたち外国人経営者にとっては大事なビジネスパートナーでもある。

というのも、外国人が食材店やレストランなど事業を立ち上げるときの、開業手続きを請け負う行政書士も多いからだ。新しく社長となる人やコックの在留資格だけでなく、保健所を通じた営業許可の申請、司法書士とタッグを組んでの会社設立など、一連のサポートも手がける。

西葛西ではここ数年でインド料理のレストランがずいぶんと増えたが、その陰には行政書士の働きがある。外国人コミュニティーの「縁の下の力持ち」と言ってもいいかもしれない。

行政書士は国家資格だ。一般的には行政書士試験を受験して取得することになるが、合格率は毎年10%前後というなかなかの難関。ただ受験資格の制限がない。例えば司法試験を受けるにはロースクールを修了する、社会保険労務士は大学や短大を修了するといった条件があるが、行政書士の場合は年齢や学歴を問わず誰でも受験できる。ちなみに2024年2月現在の行政書士登録者数は5万1959人(日本行政書士会連合会による)だ。

で、晴れて行政書士になったら、次に「行政書士申請取次関係研修会」なる講座を受け、効果測定というテストを受けて、合格すれば「届出済行政書士」として活動できる。その証明となるのが入管に提示するピンクカードで、なかなか頼もしい見栄えだ。

年齢的に雇ってくれるところがなかった

その後は事務所に所属して実務を学んでいくか、あるいは開業するかに分かれるのだが、恩田さんはいきなり事務所を構え、独立開業に挑んだ。そこには、

「私の場合、年齢的に雇ってくれるところがなかったからなんです」

という理由があった。10代の頃から外国人に関わった仕事がしたいと考えながらも、会社員として就職し結婚して子育てに追われ……という暮らしを送ってきた恩田さんだが、母のアドバイスもあり40代のときに一念発起して行政書士になろうと、勉強を始めた。

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