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「連絡はFAX」高校野球界の"昭和にも程がある"現状 デジタル化が進む一方で「取り残されている」

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 9時30分

またある地方高野連に電話をすると、事務の女性が出てきて「うちはネットとかできないから、広報窓口は、〇〇新聞運動部の〇〇さんにお願いしているんです。携帯番号を教えますから、そちらに連絡してください」と言われた。

連絡をすると件の記者は「ああ、わかりました」と慣れた感じでサクサク対応してくれた。仕事をするうえではありがたいが、メディアの窓口を他のメディアが担当するのは、どうなのか、と思った。例えば不祥事が起こったときに、その新聞社は客観的な取材、報道ができるのだろうか。

恐らく正式の窓口というわけではなく、スタッフ不足などで仮に代行しているのだろうが、この地方高野連の情報管理は大丈夫だろうか、と思う。

さらに高野連の幹部が入れ替わるとメディア対応が変わることもある。以前までと同様に「取材申請」をしようと連絡すると、事務の女性が「会長は今から出張するので、そんなことでいちいち連絡してこなくていい、と言ってます」と話した。広報業務という概念そのものがないのではないか、と思った。

行政や学校で「デジタル化」できていない部署

筆者は野球だけでなく、行政関連の仕事や、学校スポーツ全般の仕事もしてきたが、行政や学校には「デジタル化」ができていない部署や人が今もたくさん存在するという印象だ。

行政職員の中には、いわゆるフィーチャーフォン(ガラケー)をいまだに使っている人も結構いる。ファクシミリも健在だ。お年寄りのニーズに対応する必要があるからかもしれないが、だからといってスマホやメールが使えないでは困ると思うのだが。

またある公立校の運動部を取材したときに「あとで写真を送りますよ」と言われたのだが、送られてきたのは「MOディスク(magneto-optical disk)」だった。若い人はご存じないだろうが、20年くらい前、ハードディスクドライブが普及する前は、大容量のデータはMOディスクが主流だった時代があったのだ。筆者の家にもMOドライブがあったが、久しく使っていないうちにどこかにいってしまった。

分厚いMOディスクを手にして本当に困ってしまった。これが使えるオフィスは、ファクシミリ以上に少ないだろう。このときは、知り合いの出版社に頼み込んで処理してもらった。

大手出版社は、いまだにファクシミリ、MOドライブ、フロッピーディスクドライブを一通り稼働状態で置いているところが多い。ベテランの作家やライターなどで、頑なにこうしたメディア、通信手段を使う人がいるからだ。

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