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「連絡はFAX」高校野球界の"昭和にも程がある"現状 デジタル化が進む一方で「取り残されている」

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 9時30分

こうして紹介していくと「デジタル化から取り残されたお年寄り」の話かと思うかもしれないが、地方高野連でアナログでレトロな対応をするのは、還暦過ぎの筆者などより若い人たちだ。働き盛りの世代のはずだが、デジタル関係にからっきし弱い人が結構いるのだ。

「あとでメールでデータをお送りしますよ」と言うと「あ、おれ、こういうの苦手なんだ」とキーボードを叩く手つきをする指導者もいる。こういう人でもスマホは持っているが、通信手段以外には使っていないのだろう。高野連の公式サイトを見ることもないだろうし、ネットメディアのスポーツニュースにも疎いのではないか。

一部の指導者が「取り残されている」

デジタル・デバイドによってメディア対応が滞るのも問題だが、一方で急速にデジタル化が進んでいる中で、一部の指導者が「知らないうちに取り残されている」のは、さらに深刻だろう。

今、中学、高校などアマチュア野球の世界では、野球の技術やスポーツマンシップ、トレーニング法、健康管理まで、さまざまな専門家がネットで情報発信している。専門家の中にはZoomなどを使ってウェブセミナーを開いたり、グループサロンなどで勉強会をするようになっている。

筆者もときどき参加するが、Zoomの講習会に参加する指導者は、決まって「意識高い系」の指導者だ。顔ぶれはどこでもだいたい決まってしまう。講師の中には「本当は、ここにいない先生方に聞いてほしいんですけどね」などと言う人もいる。

また、今は練習試合などもスマホの「一球速報アプリ」を使って、オンタイムでスコアをアップロードするようになっている。女子マネジャーなどがスコア記入の傍らでスマホから入力している。

これによって、中学、高校の選手たちの投打守備の成績が、MLBやNPBと遜色ないレベルで公開されている。これを見れば、選手の長所、短所などが手に取るようにわかる。筆者は「これはすごい進化だ」と思うのだが、こうしたデータにアクセスしない、あるいはアクセスできない指導者もかなりいるのだ。

このアプリを利用すれば投手の「投球数」などの情報も簡単に把握できるのだが、そういうことができていない指導者も多い。

ネット経由で明らかになる不祥事

学生野球協会、日本高野連は、大学、高校野球部で不祥事が起これば、指導者や学校に処分を科して発表する。今の野球界の「不祥事」には、ほぼ間違いなく「ネット」が絡んでいる。暴力、喫煙、飲酒などの不祥事は、SNSにアップされた動画がきっかけで明らかになることが多い。しかし選手単独の不祥事などは、指導者がまったく知らないケースもある。

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